zazzle:ロイヤルティの基準を変更するそうです
こうやって何度も zazzle について書いているわけですが......これは一つの体験記みたいなもので、実は私はあんまりzazzle が好きじゃないかもしれまない......と思う今日このごろです。あそこで物を作るのは間違いなく楽しいし、(まだ3回ですが)自分の作った物が外国で売れるのもとても嬉しいことです。でも品物を買えば不良品や間違いばかりだし、クッションやランチョンマットは注文して1ヶ月以上たっても製作中だし、苦情や質問の窓口の担当者はいいかげんだし、作者からピンハネするし、国内は送料無料のくせに海外発送はまだまだ高いし、デザインするときのインターフェイスは前のほうが使いやすかったし......ナ〜ンダカ常にもやもやした気分が同居しています。よくわからないのですが。
さて、今日入っていたメールの件名はこうです。
June Seller Newsletter: marketplace changes, kids' apparel & more!
なんでも近々「zazzle市場」に変更があるそうです。「zazzle全体のアクセスと売上げを伸ばすためにロイヤルティとボリューム・ボーナスを変更する」と。ロイヤルティとは作り手に支払われるデザイン料のようなもの、ボリューム・ボーナスとはまとまった金額分を買ったときのポイント還元みたいなものですが、こういう場合はユーザーである我々に不利なほうへ変わると考えるのが普通です。
具体的には、これまで「最低10%」であったロイヤルティを「5%」に下げるそうです。これまで設定したものは据え置きですし、今後も何%に設定するかは作り手の自由でしょうが、今後あらたに作る物のロイヤルティは5%で設定できますよ、というのですが......
これまで10ドルの商品であれば、そこに最初から10%のロイヤルティが含まれていました。15%に設定したければ値段が10.5ドルになる、という具合です。しかし今度の変更は商品に含めるロイヤルティを5%にするということであり、5%を超えるロイヤルティを設定すると商品の値段が高くなる、という意味です。では差額の5%は何処へいくのでしょうか?
その分すべての商品の値段を5%下げるのでしょうか?
じゃっかん詳しい zazzle のフォーラムでFAQを見ると、どうやら全商品の値段を5%下げるようです。売上げを増やす目的で販売価格を下げるといっても自分が確保している利益には指一本触れず、その負担をまるまるユーザーに負わせるんですね。ひどいやり方ですね。つまり、作り手が受け取るロイヤルティが5ドルあるとしたら、これまでzazzleはその20%、すなわち1ドルをピンハネして実質4ドルでした。しかしこれからは最初からその半分しかあげませんよ、ということです。(たぶんそこからさらに20%を奪うでしょうから)ですから実質2ドルになります。本来5ドルであるべきものを2ドルにするわけです。もし作り手がこれまでどおり10%のロイヤルティを設定するなら、その分だけ価格が上がり、(沢山売っている人ほど)販売に不利になるでしょう。そうでなくても zazzle は年がら年中割引セールをやるんですから、作り手は踏んだり蹴ったりです。 一方 zazzle にとっては、もし値下げして売上げ点数があまり増えなかったとしても支払いが半分で済むのですから、すぐに確実にお金が残ります。「売上げを伸ばす」とはあくまでzazzle.com にとってのことです。
zazzle長者も今後は売上げ半減ですネ。zazzleで生活できると判断して仕事を辞めた人、どうするの?
私はこれまでどおり10〜15%の設定を続けたいと思います。
日本にも小口の特注品を作ってくれる所があちこちにあります。zazzleのように何でもかんでも扱うのではなく、ノート、マグカップ、Tシャツなど、種類ごとに別の会社ですが。そこでは数に応じた「商品の値段」と「印刷料」の一覧を出している所があります。実に会計明朗です。 zazzle もそれくらい明らかにしてほしいものです。
zazzle は販売の代行もしますから、それなりに手数料が発生するのは当然です。ロイヤルティが存在するのも私が作ったものを他人が買える仕組みだからです。しかしどうみても100円ショップで買えるような、あるいは100円ショップで200円で売っていそうな中国製のマグカップを15ドルで売るのですから、すでにそこに充分な経費も利益も入っていそうなものです。(アメリカではそもそもずっと物価が上がっているそうで、マグカップは私が zazzle を知った一昨年の夏から2〜3ドル値上げしています。メッセンジャーバッグなど当初から20ドルぐらい値上げしています。そもそも zazzle は今年に入って全商品の値上げをしたばかりです。)しかし今こうしてユーザーの利益を犠牲にしても zazzle がさらに利益を求めるのは、取扱い商品を増やしすぎて——それは品物ごとに専用の高価な印刷機を購入することを意味しますから——お金が回らなくなってきたのかしらと邪推したくなります。それとも単に売上げが落ちて、強欲な株主のために一番簡単な「搾取」でお金を得たいだけでしょうか?
これら変更にともない zazzle は地元のタウンホールで説明と質疑応答の会を持つそうです。ユーザーの利益に重大な影響が及ぶ事柄であることを物語ります。しかし変更を取り消すことはありえませんね。(その説明会もメールの2日後に開くという慌ただしさです。何かとんでもないことが起きているのでしょうか。)(注:よくよく見ると、この「タウンホール」とは場所を借りて集まるのではなく、ネット上のライブ集会のようです。)
● June seller news and updates
(追記6月9日:よくよく見ると、この「タウンホール」とは場所を借りて人が集まるのではなく、フォーラムのページを使ったライブの質疑応答でした。 当然ユーザーの関心は高く、投稿数が856ですって。私が自分が知りたい答えを探すのも大変です。その内容は下のリンクで読めます。もしかしたら閲覧に制限があるかもしれませんが。)
● Zazzle Forum: town hall iv
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