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2013年5月13日

ウィンウッドのお誕生日とドキュメンタリー番組



ゆうべからチャンネル桜の討論番組を見たりこのブログの記事を書いたり、年甲斐もなくネットにかじりついて夜明かししてしまいました。それはともかく。

明け方なんとなくスティーヴ・ウィンウッド関連を検索したら、いつものダラーっと並んだ検索結果に「1948年5月12日生まれ」という文字列が見えたんです。あ、そう......あれれ?それって昨日ではない? おっとイギリスではまだ今日なのだわ!と思いました。

というわけで、心の中で「お誕生日おめでとうございます」と言いましたよ。

大昔から好きなミュージシャンでもお誕生日まで知りません。たまたま当日知るなんで、何やら勝手にご縁を感じてしまいます。今日は久しぶりにCDを聴こうかしらん。なにかいいことがあるかもしれません。そしたら続けて英BBC制作のこんなドキュメンタリーをみつけました。放送は2年前だそうです。

● BBC 4:  Steve Winwood English Soul
● 関連記事



2012年2月4日

ケロログでカラオケ


何年ぶりかで「ケロログ」に行きました。「音声ブログ」です。IDもパスワードも忘れて自分のブログに入れませんでした。新しいアカウントを作ろうと思います。ブログを作ってもそうそう人様に来てもらえるものではありません。しかし間違って誰に聞かれてしまうかわかりません。そういう緊張感のある「カラオケ上達への道、進行形」をやりたいんです。ところがいつものようにユーザー名に悩んで先に進めません。ああ、自分を何と名付ければよいのか......。

埒があかないから、他にもカラオケをする人がいるはずだと見回してみました。すると

● 歌のない歌謡曲 AMIさんの素人カラオケ音源制作室

がお見事でした!

懐メロのカラオケ音源を作っておられるのです。歌謡曲、ポップス、童謡をふくめ何百曲とあります。一曲ごとの解説が歌への愛情を感じます。カウンターはついていませんが、ファンが大勢いることでしょう。

滋賀県の75才! 63才からパソコンとDTMを始めたと書かれてあり、このカラオケ音源制作にあたってはきちんとJASRAC(日本音楽著作権協会)のきまりもまもっていらっしゃる。スラバスイ! 歌ってみたい歌があちこちにあります。カラオケでやる前に曲や歌詞を覚えるのにお借りしたく思います。(AMIさん、よろしくお願いします。)

2012年2月3日

ポケットにハモンド



(1年ちょっと前の情報ですが)まるでスティーブ・ウィンウッドのファンのためのソフトですね! 
ス・ゴ・イ・デ・ス・ネ! 
Pocket Organ C3B3 (開発: insideout Ltd.)
でももう iphone、いりませんけどねネ。
iPod Touch ならいいかも?
え、iPadにつなぐとペダルまで入ってる?!

2011年8月17日

パソコン用スピーカーのケーブルの話


● 「プロケーブル」の iPod 用ケーブル

たいへん遅くなりましたが、パソコン用のスピーカーにつなぐべきケーブルの話を本日(ただし7月28日付で)アップしました。関心のある方は上のリンク先をぜひごらん下さい。

2011年8月10日

カラオケ大作戦(イタリア・フランス編)



● ジリオラ・チンクエッティ「雨」

石神井公園にはカラオケ屋さんが3軒あり、私は激安を標榜する「サウンド・スクエア」と大手の「ビッグエコー」を半々で利用しています。その「サウンド・スクエア」が今月はものすごいことをやっていて、昼間の利用が1時間100円なのです! 前回もらった割引券を持って今日フラリと行って2時間歌ったら、飲物込みで180円でした! ビックリです。18日までだそうですが、今は練習している歌があるので何度か続けて通ってしまいそうです。

それはともかく、この夏はなんといっても60年代のイタリアン・ポップスです。(あの頃はいろんな国からヒット曲が届いたもので、思えばポップスの黄金時代でした。)その頃のフレンチ・ポップスも好きですが、フランス語が発音ができないので諦めています。「それならイタリア語は?」と問われれば、なんと私は19才から2年間イタリア語を習ったのですヨ。大人になったらフィレンツェ郊外のフィエゾーレの丘に住むつもりでしたからネ。(2年とも落第でした。ハハハ......)

その頃のヒット曲は今と違ってみんなが知っています。ですから上手く歌えるようになって、いつ同世代の宴会があってもいいように備えようというわけです。(でも中学の同期会で2次会がカラオケということは、まずないんですけど。)ナツメロというのは、今歌おうとして初めて歌手の名前や歌の題名を知ったり、子供の頃にカタカナで覚えた歌であったり、そういう歌をあらためて原語で歌うのは楽しいものです。


ジリオラ・チンクエッティの
「雨」 (La Pioggia)
「愛の花咲くとき」(Quando M'innamoro)
ミーナの
「砂に消えた涙」 (Una Bucco Nella Sabbia)
「夢見る思い」(Non Ho L' eta)
ボビー・ソロの
「頬にかかる涙」(Una Lacrima Sur Viso)
ウイルマ・ゴイクの
「花のささやき」(In Un Fiore)

お調子に乗るとさらに

ドメニコ・モデューニョの
「Piove」(「チャオ・チャオ・バンビーナ」ともいう)や「Volare」も。
でもいつかは「太陽はひとりぼっち」をシャウトしたいなあ......とか。

そのへんで出尽くしですが。いずれもかつての世界的な大ヒット曲でした。


 ●「花のささやき」 この動画はマカロニ・ウエスタンの映画の一部分のようです。

 ●「Volare」又の題は「Nel Blu Dipinto di Blu」


60年代フレンチ・ポップスの大ヒット曲とはこんな感じ。
いつかは発音の勉強をしたいと思います。








(追記:2011年8月31日)
第一興商のサイトでビッグ・エコーのカラオケ(DAM)にある曲を調べられます。事前に歌いたい歌のリクエスト番号を控えておけば、曲を探す手間が省けますね。(その時間に歌えます♪)機種を特定できれば確実ですが、番号だけでも調べておけば、あるなしがすぐにわかって楽です。

● カラオケDAM

「パソコン・カラオケ」のページにはカラオケの有料ダウンロードもありますが、Macには対応していないようです。
● カラオケ音源ダウンロード


(12月11日:冒頭のサンレモ音楽祭の動画が削除されていたため、別のライブを埋めました。)

2011年7月28日

「プロケーブル」の iPod 用ケーブル

(諸般の事情により投稿が遅れて申訳ありません。
なんと8月17日の公開になってしまいました!
でも原稿を書いた日の7月28日付にします。)



本日26日、愛知県の「プロケーブル」さんからケーブルが届きました。
はやる心をおさえ、記念撮影をしてから繋ぎました。

どういう順番で書けばいいのかもわかりません。結論を先に言いましょう。このケーブルをつないだら、パソコン用スピーカーがオーディオに変わってしまいました。試しに元のケーブルに戻してみると、薄い膜がかかったように聞こえました。でも単に「くっきりした」というのでもありません。何とも形容しがたく、あれこれ書いてもしょうがない気がします。イギリスの60年代のポップス、ボサノバ、ジャズ、昭和歌謡、バロックなどで聞き比べたところ、いずれも新しいケーブルの音の良さが明らかで、中でも室内楽のバイオリン(イ・ムジチ)のソロの差がもっとも顕著でした。これはITMSで衝動買いしたのでよくわからない曲なのですが、現代音楽かもしれませんが、バイオリンのぴんと張った弦の上で弓が踊っている様がありありと聞こえたのです。(その後インターネット・ラジオでいろいろ聞きましたが、50〜60年代のジャズのベースはボンボンきます。これだけ来たら低音は充分です。かなりの大音量でもいい音です。)

要するに、このケーブルをつないだだけで音がとってもとっても良くなりました。音楽の質が上がった感じです。一日中聞いていたくなります。

これが「プロケーブル」さんのいう「フラットな音」なのかもしれません。「フラットな音」とは平板で単調な音のことではなく、レコードが作られた状態をそのまま再現する音のことです。ですから楽器も違えば歌手も違う、和太鼓のソロでも千人の大合唱でも、あらゆる音楽の録音時の個性をそのまま再現することが「フラットであること」です。私はそういう音を出すのは「モニター・スピーカー」だと思っていました。ですからケーブルの役割が大事なのだと知って驚きました。事実、良いケーブルが音楽を良い状態で運んでくれれば、こんな小さなスピーカーでも能力の限りの音をちゃんと出してくれるということなのですね。

すでに「パソコン用スピーカー GX-100HD(B)」で書いたとおり、Mac(MacBook Pro)で手軽に音楽を聞くために、パソコン用としてはちょっと上等なスピーカーを買いました。ネット上のユーザーの意見では「低音が弱い」「同梱のケーブルが貧弱」という意見が多いのが気になりましたが、実際に品物が届くと、私には気にするほどではありませんでした。ただMacとスピーカーをつなぐ同梱のケーブルが私には少し短くて不便でしたから、長いのに買い替えたいと思いました。とはいえべつに急ぐでもなく暮らしていたある日(先週のこと)、ネットで偶然にも「プロケーブル」というオーディオ専門店のサイトを知りました。音楽業界のプロやその道何十年のオーディオ・マニアが出入りするお店のようなのですが、とっても興味深い面白い情報が満載のサイトでしたから、読み始めると止まらなくなり朝になってしまったくらいです。そして私が欲しかったケーブルが「iPod用ケーブル」として売っていましたから、どうせ買うならそういうお店のいいケーブルを使ってみたくなったというわけなのです。商品のページは以下のとおりです。

● プロケーブル iPod 用ケーブル
● プロケーブル スピーカー・ケーブル

興味深い記事が満載のサイトですから、ぜひあちこち見て回ってほしいと思います!


<私が買ったもの>

「iPod用ケーブル」はイギリスの音楽に一番いいというイギリスのバイタル社製のケーブルを選びました。一番上の写真がそれです。長さは3メートル。先っぽはステレオ・ミニプラグ、もう一方はRCAで、ともにアメリカのノイトリック社製で金メッキです。4900円。(値段はケーブルの長さで変わります。20メートルまであります。)

スピーカーに付いていたケーブルに比べて太い! 鉛筆のような太さです。


同梱のケーブルとはこんなに違います。


左右のスピーカをつなぐケーブルは「特注品」です。針金のようにしっかりした……というか正に針金です。銅の単線で(AE線)メートル単価100円のを1メートル、片方は切りっぱなし、もう一方に同じノイトリック社のRCAを付けてもらいました。650円。

(これは自分では選べなかったため、私のスピーカーではどのケーブルが良いか相談して作ってもらいました。オーディオに何十年の人生と何百万何千万のお金をつぎこむようなお客さんを相手にしているお店なのに、ド素人のこんな質問にも答えてくれるのですよ。すごいと思います!)



接続するために、切りっぱなしのケーブルのビニールを剥いて銅線を出しました。(私はこの種のことが得意だったはずなのに、なんと下手くそな…… でもここは銅線を見てください。)左側がAE線で、太い一本の銅線です。右側は同梱のケーブル、赤と黒のよくあるやつで、細い細い銅線が束になっています。

太さもだいぶ違います。AE線は銅線を赤と白でくるんだものを更にベージュ色でくるんでいるからです。

「いいケーブルを使わないといいスピーカーもいい音が出ない」という話は、十代の頃に聞いたか読んだかしました。ですから30年前に自分のステレオを買ったときには、「秋葉原」に「ケーブルを買いに」行ったことがあります。でもいきなり行って買えるものではなく、また買える値段ではなく、ただただ驚き、空しく手ぶらで帰宅しました。ケーブルのことはそれっきり忘れていました。

しかしプロケーブルさんのサイトを読むと、ことオーディオの世界では何につけ高いものが良いものと限らないことがよくわかりました。

音楽が好きなら誰でもいい音で聞きたいと思います。しかし質が良いといわれるオーディオ機器は高価だし、そこまでいい音や究極の音を求めるわけでもないのが普通です。いってみれば「ちょっといい音にしたい」という感じじゃありませんか? そういうときに例えば質の高いケーブルを使うだけで音の質をうんと高められるとしたら、これは大いなる喜びではありませんか! ケーブルを見直して、まずは自分が持っている機材に本来の力を発揮してもらいましょう!

<私のつなぎ方>

「iPod用ケーブル」のRCAプラグをアンプ付きスピーカーにつなぎ、左右のスピーカーをスピーカー・ケーブルで繋ぎました。(つまり同梱のケーブルを付け替えただけ。)それでCD、DVD、ダウンロードした音楽、ラジオその他音声を聞くときに「iPod用ケーブル」のミニプラグをMac(MacBook Pro)のヘッドフォンジャックに挿して、聞き終わったら抜きます。(いわゆる「直挿し」の「アナログ出力」です。)

ただ、新しいケーブルに替えると音量がとても小さくなりました。スピーカーの音量つまみを12時にしていたものが、3時でも物足りないくらいです。プロケーブルさんにそのことを伝えますと、Macの場合は自動的に音量が半分になってしまうからMac側で設定しなおせばよいと教えてくれました。そこでMacのユーティリティの中にある「Audio MIDI 設定」で設定しなおしたら全部OKでした。何から何まで本当に親切なお店です。

<いわゆる「ノイズ対策」>

PCのユーザーではUSB接続のオーディオボードやサウンドボードをつないで、そこに挿す人が多いようですが、音を良くするというよりはノイズ対策のようです。そこで試しに「直挿し」の無音の状態でMacの音量とスピーカーの音量を同時に最大にしてみましたが、まったくノイズがありませんでした。少なくとも私には聞こえませんでした。過去にもヘッドフォンでノイズを感じたことなく、どんなもんかと思っていましたが。ですからMacの場合にはノイズ対策はいらないと見なしました。オリンパスのICレコーダを「直挿し」してもノイズはありませんでしたし。(iPodはまだ試していません。)

そういうわけでWindowsのユーザーは最初からノイズ対策が必要かもしれませんが、Macのユーザーにはオーディオボード(主にゲーム用)もサウンドボード(主に音楽用)も必要ないと思います。もちろんCDプレイヤーもiPodドックもいりません。(欲しいなら別ですが、なくても問題ないのです。)コンピュータ音楽を作ったり演奏や朗読の録音するなど他の用途がある場合に限り、目的に応じた適切な機材を揃えるのが正解ではないでしょうか。

2011年7月1日

パソコン用スピーカー GX-100HD(B)

一昨年くらいにこのブログでパソコン回りのスピーカについて書いたことがありますが、諸般の事情で結局買わなかったのです。(ちょっといいヘッドフォンを買ってしまいました。)

このたびやっと、6月26日付の「オンキョー・ダイレクトのアウトレット」で書いたように、WAVIOシリーズのGX-100HD(B)を買いました。(アウトレットですから正確な商品番号はGX-100HD(B)-Qです。)フラッシュをたいて記念撮影をしたら左のようになりましたが、実際はコーン以外全部真っ黒です。

このスピーカはオープン価格で、オンキョー・ダイレクトでは2万9800円、アマゾンで2万4800円のところ(あらら、今見るとアマゾンでは2万3900円3万1580円)、アウトレットでは送料込みで1万9800円でした。アウトレットは出たもの勝負で次があるとは限りません。「わけあり品」ですから吉と出るか凶とでるか、わかりません。本当は別のスピーカを買うつもりでしたが、この製品がここまで安くなるならばと、ここはギャンブル気分で買ってみました。注文した翌々日の6月28日に届きました。

スピーカーは無地の白い段ボールに梱包されて配送用の茶色い段ボールに入っていました。説明書の入った袋は未開封でした。何処を修理したのかしなかったのか等はわかりません。

以前の経験から、パソコン用のスピーカーは量販店に行っても試聴できる機種は少なく、試したい機種があるとは限らず、騒々しい店内でどこまでわかるか自分に自信もありません。ですからお店には行かず、ネット上の評判とメーカーの説明で決めました。また私は音響機器に詳しくなくて手持ちの古いステレオやヘッドフォン以外に比較できないのですが、繋いでみるといい音がしました。アマゾンのレビューには「低音が弱い」という意見が多くあり、それに対して低音は効いているという反論は僅かで、そこが少し気になっていましたが、実際に聞いて私は満足です。

年をとったせいか、ただ大きい低音よりも「きれいな低音」がほしくなります。その点このスピーカは小さいのが無理して出している低音ではなく、大きさに見合った自然な低音で、耳に快適です。そもそも低音の質と量はその曲を録音した時点でかなり決まっているはずで、数十年前のモノラル時代のビッグバンドはどうしても甲高いし、最近の曲でも作り手があまり低音を強調していない場合もある、という具合にやみくもに低音を求めても無理なことがあります。(アマゾンのレビュアーには何を聞いて「低音が弱い」と感じたかを書いてほしかったものです。)このスピーカーでは、いかにもベースを効かせたジャズではカッコいい低音がボンボン響きます。一方クラシックの大オーケストラの重厚な低音域では大きいスピーカーの迫力にかないません。しかしこの値段と小ささにそれを望むほうが間違っていますし、全体に品のいい音で、きれいに聞くことができますから文句を言うほどではないと思います。(もし物足りなければ木製の本箱や箪笥の上などに置いて共鳴させるのはどうでしょうか。さらにうんとお金をかける方法もありますが。)

古今東西のいろいろな種類の音楽で試し聞きをするとどれも上等です。ポップスはもちろん、とくにアコースティックな音楽がいいと思います。室内楽、古楽、フォークロア、昔のジャズなど。(今ラジオの美空ひばりがかかっていますが、歌謡曲もイケます。)iTunesのイコライザーで調節するとボーカルもベースも打楽器もさらに生き生きします。私の場合日によって強調したい音や耳障りな音が変わるため、イコライザーをよく使います。

写真ではわかりづらいでしょうが、本体の高さは26センチです。しかしアンプの入っている右側は4.5キロ、左側も3.3キロあり、箱は厚さ15ミリの木製です。小さいのにきちんとした作りで(前面のネットも外せます)、よく出来たミニチュアのようです。そして音も、ステレオの時代の大きなスピーカ・システムの音をそのままミニチュアにした感じで、とくに夜間に小さな音で聞くときに安定感とバランスの良さを感じます。パソコン回りのスピーカーであれば離れて大音量で聞くより近くで小さい音を聞く方が多いでしょうから、ここは大事です。パソコン用にしては高価ですが、音楽を聞くにはやはりこれくらいがいいと思いました。大正解です。今はインシュレーター(スピーカーを載せる足)も、ましてやサブ・ウーハー(低音用のスピーカー)も必要ありません。(ちなみに私はMacBook Proを使っています。)

アンプ内蔵でアナログとオプティカルのインプットが可能ですから、ミニプラグをつなげばICレコーダでもテレビでもラジオでも何でもきけます。iPodにつなぐにはインプットのケーブルの先のプラグをiPodに差し込むことになります。充電はまた別途です。専用のドックみたいに便利ではありませんが、たいていのドックよりいい音じゃないかと想像します。

アンプ内蔵の右側は後ろがすごく熱くなります。「放熱を兼ねているから熱くなるけど大丈夫」と書いてあるものの、心配になるくらい熱くなります。でも心配はいらないそうです。

(比較したもの)
● GX-D90(Y)
同じWAVIOシリーズのGX-100HD(B)の一つ下の機種です。前にスピーカを探していたとき一番いいと思いました。本当は真っ黒いのは苦手で、この明るい色の木目と灰色のネットという全体のデザインが好きです。今見てもいいし、何より値段が4千円ほど下がっていました。ですからこれを買うつもりでした。しかしアマゾンのレビューを読むと低音がとても効いているという意見のほかに、「低音がブーミー」とあり、「ブーミー」の意味がわかりませんがど〜も否定的な意味のようで気になってしまいました。でもアウトレットのGX-100HD(B)がなければこちらを買ったと思います。

● 【レビュー】 高音質スピーカー WAVIO GX-100HD 買ってからみつけたemdesgin.comさんのレビュー、2008年11月25日付

(追記:この記事を上げたとたんにアクセスが続いたため、7月7日に少し書き足しました。)

(追記:7月28日)
愛知県の「プロケーブル」というオーディオ・ケーブル専門店で、Macとスピーカーをつなぐのにも使える「iPod用ケーブル」を買いました。同梱のケーブルが私には少し短くて不便だったため長いケーブルが欲しかったのですが、どうせならいいケーブルを試してみようと思ったのです。結果、すばらしい変化がありました。前日まで満足していた音などお話になりません。イコライザーもほとんどいりません。オーディオのことはわかりませんが、たぶん「いいケーブル」とは同梱の一般的なケーブルよりもスピーカーへ「音楽を運ぶ能力」に優れているのでしょう。いいケーブルに替えることはスピーカーが持つ力を引き出す事であり、サブウーハーを足したりオーディオボードを足したりするより前にするべきことで、お手軽に、そして(おそらくアレコレ足すよりも)いい音を得る方法かもしれませんよ! とても興奮しています。詳しくは別項に書きます。乞うご期待!


(追記:8月17日)

● 「プロケーブル」の iPod 用ケーブル

たいへん遅くなりましたが、本日このブログ内でケーブルの話を公開しました。皆様の参考になれば幸いです。

2011年6月26日

オンキョー・ダイレクトのアウトレット


オンキョー・ダイレクトは老舗の音響機器メーカーのオンキョー株式会社の直販サイトです。とくべつに安売りが自慢ではなさそうで、価格では量販店やamazonに負けます。しかし欲しい製品が確実に買えることやアフターサービス、ポイント制などに利点がありそうです。

特記すべきは産地直送ならではのアウトレットがあるのですよ。初期不良その他の理由で開封後に返品されたものを、オンキョーの技術者が調べた上で必要なら修理を施し、使用に問題ないことを確認して販売しているとのこと。ですから製品や付属品や説明書などは使用に差し支えないわずかな傷や汚れがあるかもしれず、返品・交換はナシで、送料は一律無料、メーカー補償は1年間です。そういう物がハナから苦手は人は別ですが、これはかなりおとくでしょう。

すごく神経質な人がどうでもいいようなことを理由に返品したものなら「アタリ」ですね。機械に変な癖のあるものだと「ハズレ」かもしれませんけど。

そこでかなり上等なパソコン用のスピーカー「GX-100HD(B)-Q」が出ていましたから買いました。(GX-100HD(B)と同じものです。)この続きはまた後日。(6月26日)


● このブログ内の関連記事です。スピーカーは6月28日に届きました。続編をパソコン用スピーカー GX-100HD(B)という題名で書きましたので、こちらもどうぞ。

2011年6月17日

ウインウッドとクラプトン 2007

Crossroads Guitar Festival 2007 (DVD)



2007年7月にアメリカはシカゴで催されたギターの名人ばかりを集めたコンサート「クロスロード・ギター・フェスティバル」の実況録画です。お昼前から夜まで続くたいへんなお祭りだったようです。(amazonを見るとこのコンサートは2004年とか2010年のライブ盤もありますが、これは「2007」です。)イギリス盤のDVD2枚組を買ったのが16日に届きました。

CDも出ていますが、これはぜったいDVDがいいと思います。第一に(私の場合ですが)、名人ぞろいといっても知らない人が多いので、顔を見ながら聞いたほうがわかりやすいからです。第二に(これが重要ですが)、CDの音だけではわかりえないことが沢山ありました。小さな出来事、ミュージシャン達の表情や仕草や服装などなど。また舞台裏の様子とインタビューもたくさん入っています。

1枚目は司会者の予想外のイントロに始まります(クラプトンは遅刻したんでしょうか?)。60年代には長身で痩せてて病気がちであった白っ子のジョニー・ウインターが、骨と皮みたいな小さな小さなおじいさんになって座って演奏するのとか、ブヨブヨのキングサイズのBBキングが座って演奏するのとか、カントリー系の男女などが登場して、私は最初の Sonny Landreth がいいと思いましたが、私が聞きたいのは勿論2枚目です。

最初が John Mayer というすごく上手い弾き手の、若いもんならではの勢いのあるテク大全開。アルバムを聴いてみたくなるなあと思う暇もあらばこそ、次に「ロス・ロボース!」という紹介と共にやけに場慣れしたおじさんが登場しました。続いて他のおじさん達もゾロゾロと出そろうと、いきなりラテン系の一糸乱れぬ完全な演奏を繰り広げるではありませんか。首がないくらい太っちょなおじさんの切れのよい素晴らしい声、バンドの あまりのノリの良さに夢中で聞き入ってしまいます。Terrific!でございます。するとカメラはなんと舞台の裾に来て聞いているウインウッドの姿をとらえているじゃありませんか! 私も聞く耳を持っているなあと思いました。

Lo Lobos: Mas Y Mas

実はこのYouTubeの動画は上手に編集してあって、演奏も所々のべ2分はしょっています。

顎でリズムを刻みながら Los Lobos を見ているウインウッド。上の動画では切られてます。

その次がジェフ・ベックなのですが、ジェフ・ベックといえば1960年代の、ちょっと膝のすり切れたブルージーンズというイメージがあります。40年近くを経て、同じヘアスタイルに両腕を出した黒のチョッキという変わらないロッカーのいでたちでありました。今でもライブをやっているのかしらと思ってしまう若い人ばかりのドラムとベースとキーボードの四人組です。私はこの人の曲をほとんど聞いたことがないのですが、甲子園のピッチャーみたいに右手が粉で真っ白です。最初ギターを弾く手があまりなめらかではない気がしましたが、しだいに凄いことになっていくのでした。しかし問題はベーシストで、実の娘より若いのじゃないかと思う女の子で、ジャジーなすごい演奏を聞かせるのですが……Tシャツにノーブラで乳首が出てるよお。しかもベースを高く持っているから、やだなあ…… あれ? ブラしてるのかなあ。

そのあとがクラプトンです。ジェフ・ベックはクラプトンの前座ですか? かつては三大ギタリストと呼ばれていたのに。(エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、あと誰でしたっけ。ジミー・ペイジ? クラプトンが「スロー・ハンド」ならベックは「スティール・ハンド」と呼ばれていて、山下洋輔が「物を盗むんですか?」と言って笑わせてくれたものです。今の日本じゃ「ベック」といったら水島ヒロですかネ……?)

クラプトンは別に聞かなくてもいいので4曲とばすとウインウッドが登場します。すごい歓声。そこで私は「なぞの絨毯」を発見しました。後ろ上方から映したときだけわかるのですが、ステージ中央にはなぜかペルシャ風の絨毯が敷いてあります。(DVDの1枚目にはありませんでしたよ。下の写真のとおり、Los Lobosのときもありません。)そしてクラプトンは絨毯の真ん中で弾き、というかクラプトンのマイクがそこにあるのです。ウインウッドは絨毯の外。それって何かすごく変です。何なんでしょう???



二人の演奏は「Presence Of The Lord」から始まります。この1曲のためにウインウッドはあの木の年代物のオルガンを持ってきたのでしょうか。(メインテナンスが大変でしょうね。他の人も弾いていましたが。)最初はクラプトンが歌い、次からはかつてのレコードのとおりウインウッドが歌います。しかし作者であるクラプトンの自己主張なのか、途中から一緒に歌い始めて台無しにしてしまいます。続いて「Can't Find My Way Home」と「Had To Cry Today」です。YouTubeで見られるとおりです。


「Can't Find My Way Home」でギターを弾くウインウッドがクラプトンを窺うのですが(目と目で交信しているのかもしれません)、その表情にびっくりしました。まるで子供の目なのですね。なにかもう感覚だけのウルトラ・ピュア状態で頭が空っぽみたいな感じです。この人にとって音楽とはこういうものなのかと初めて知った気がしました。

そのあとクラプトンはギターを置いてステージを去ってしまい、ウインウッドのソロになります。徐ろに始まるのは「Mr. Fantasy」でした。いかにもウインウッドはトラフィックであり、トラフィックとは Mr. Fantasy なのですね。(80年代にあれだけ全米第1位のヒットを飛ばしていても、そんなのは黄金時代ではなく、そんなのが代表曲であるわけないのです。シンセサイザーの時代にはギターの名曲を作らなかっただけ、とでも?)

Dear Mr. Fantasy play us a tune
Something to make us all happy
Do anything take us out of this gloom
Sing a song, play guitar
Make it snappy

You are the one who can make us all laugh
But doing that you break out in tears
Please don't be sad if it was a straight mind you had
We wouldn't have known you all these years

再びクラプトンが戻ってきて皆で「Crossroads」です。60年代のクリームは大人っぽくてカッコよかった……。ウインウッドとクラプトンが去った後に現れるのはバディー・ガイなるおじさんで、いや〜、これまた凄い。

Buddy Guy: Mary Had A Little Lamb


このおじさんの歌はウインウッドより上手い? ギターはクラプトンより上手い? 私にはわかりません。ただ「さっきまでのは何だったの?」と思いました。こういう人の歌(と演奏)を聞くと、60年代の若いミュージシャン達が何に憧れたのか、努力して努力して大ヒットを飛ばし大スターになり、名声や富を得ても、やっぱり手に入れられなかったのは何か、そういうことを思わずにいられません。彼らは凄い。でも彼らが心の底からやりたかったことに対して、この黒人のおじさんは? まるで事も無げに歌を歌いギターを弾くバディー・ガイ。黒人ブルーズの底力。でも、黒人になれなかったからこそ彼らはロックを作り上げたのでした。思えばウインウッドもクラプトンもロックの歴史そのもの。いや〜このDVD、堪能しました。さいこーっ!

このフェスティバルは舞台のデザインも気が利いています。YouTubeではよくわかりませんでしたが、背景の横縞はネオン管を並べたものです。簡素で昼間も夜もきれいで、舞台裏も同様なんですからしゃれています。ついでにディスクをよく見たら、2枚目の写真はウインウッドとクラプトンのメンバーじゃありませんか(傷だらけのギターとペパーミントにミルクを注いだようなきれいな色のギターです)。へーえ……。(イギリスのアマゾンで「Live From Madison Square Garden」とふたつで31.92ポンドでした。)

(winwood) (traffic) (crossroad guitar festival)

2011年6月13日

トラフィックの1994年


今朝届いたトラフィッックのDVDです。1994年に何度目かの再結成をして全米75ヶ所を回った公演のライブだそうで、各地の演奏を集めてできています。(しかしですね、どうしてしょっぱなから画面いっぱいに星条旗がはためくのか理解に苦しみます。しかも二度。クラプトンの日本公演のDVDを英米でも売り出すときには、まず最初に日の丸ですか……? そこだけが目障りです。)

ウインウッドが70年代末から80年代を通してソロ活動した後の、3度目のトラフィックになるんでしょうか。もうよくわかんないのですが、このときのウインウッドとキャパルディにとっては再結成再々結成というよりも、彼らの音楽活動を貫くライフワークになっていたのかもしれません。お互いに自分のやりたいことをやったらトラフィックに戻ってきて続きをやるような。ここでは60年代の曲は彼らのテーマ曲であり、70年代の曲はスタンダードナンバーであり、さらにそれ以降の新しい曲を加えて、常に新しいコンサートが生まれます。(まるで今のクラプトンはブラインドフェイスでそれをやりたいかのようです。でもウインウッドにとってはやはりトラフィックでしょう。できるものなら。)

舞台前の映像が少し入っていて、楽屋で自分の靴を磨いているウインウッドがカワイイ。そうか、出演前には靴を磨くんですね。自分でね。肝心の演奏はまだ全部聞いていないのですけど……今のところいい感じです。しかしガルシアがゲストのときは会場が屋外で、その夥しい数の観衆にはビーックリしました。

ときにこのDVDは年寄りにはちょっと大変でした。イギリスのamazonで、地域の制限がないこと(all regions)を確認して買ったのに、おまけのディスクがまったく反応しないのです。DVDプレイヤーは真っ黒。両方映らないならともかく、どうして? ア、そうだ、CDと書いてあったっけ。何のことはない、こちらは絵の出るCDで、ファインダーから開けばよいのでした。すると絵が出て、その絵からインターネットにつながる仕組みだったようです。ディスクはCDですが、ネットを介してビデオが見れたのですね。(ただし17年たった現在ではつながりません。インタラクティブであることはカッコよかったり便利だったりしますが、ジャンプ先が終了すれば不完全なディスクになるだけですヨ。それに1994年の通信事情で映像を見るには大変な時間とお金を要したでしょうね!)音楽はプレビュー、QuickTime、iTunes できけました。

おまけのCDには1994年11月にスタジオ録音した 4000 Headmen、John Barleycorn Must Die、Low Sparks Of The High Heeled Boy の3曲が入っています。ウインウッドとキャパルディと二人のアコースティック・バージョンです。ところが John Barleycorn の途中でウインウッドがつかえてしまって、「長いこと歌ってないから入るとこを間違えちゃったよ」とか、ハモりそこねたり、やりとりがあってまた歌い始めるのでした。(映像を見たかったものです。)このときすでにクリス・ウッドは亡く、この10年後にはキャパルディも病死してしまいます。

それでジム・キャパルディが少し気になりました。その続きはまた後日。

2011年6月10日

おかげ様で!

あんなことを書いてしまうとは、なんて「友達甲斐」のない私。(そういえばロックの話などしたことがありませんでしたね。)皆様のおかげで、晴れて横浜アリーナと武道館に行けます! ああ、もう席なんかどこでもいいす。


田舎で野良仕事をするウインウッド
(公式サイトから拝借)
40年前から農業をやっているって本当ですか?

2011年6月7日

ウインウッドの日本公演ですって!?

ウインウッドの懐メロならよく聞いていますし、このブログの右上(温故知新なのじゃ)にYouTubeをずっと出していたくらいですが、先週に限ってあんなにいっぱい書きたくなったのは虫の知らせでしょうか。

ふだんは見ない夕方のテレビをつけていたらビックリです。今年11月にECが(また)日本公演をやる、SWと一緒だというのです。(2007年以来この二人はセットになってしまったんでしょうか。)とりあえずネットを見てみると、音楽ニュースとしては昨日流れたものでした。

● Yahoo ミュージック/音楽ニュース・6月6日付

日本武道館じゃなァ......音は悪いし、お尻は痛いし、帰りに寄るお店がないし、S席といってもどうせ2階か3階の一番後ろだし……などと思いつつ、夜も更けると気になってウドー音楽事務所のチケット先行予約などのぞいてみました。するとプレミアム会員(有料)のチケットは既に販売終了のもよう。アラララ...... それならヒラ会員で登録して、とりあえず横浜と武道館の座席だけは確保しておこうとして、ふと思うに、私の友達でウインウッドに1万2000円を払う人がいましたっけ? ああ、なんて友達甲斐のない人ばかり。この年さげて一人で行くのは少々イタイんですけど。(紀尾井町ホールの支配人ならクラプトンに対して払うでしょうが……)

そりゃあ凄いコンサートになる可能性は高いでしょう。でももともと私はウインウッド一人でいいんですから、クラプトンが一緒でなければこんなことにはならないのじゃないか?……もっと小さくてもっと音の良い椅子も良いホールを使えるのではないか?......などとブツブツ独りごちるのでした。
(winwood)

2011年6月3日

スティーブ・ウインウッド 2



● Steve Winwood: Spanish Dancer

これを作ってYouTubeに投稿した人には感心します。モニター画面で音楽鑑賞するのは、これまた乙なものでございますね!


YouTubeをたくさん見ているとき、芋づる式にこの動画に行きあたりました。

Grestst guitar solo ever
というのが投稿者の付けたタイトルですが、ジョージ・ハリソンのトリビュート・コンサート(2004年)だそうで、While My Guitar Gently Weeps の演奏です。



いやはや凄いものですね。プリンスのギターはどこへ消えてしまったんでしょうね。でも私は途中から後ろでキーボードを弾いているのがウインウッドではないかと気になりました。それで同じステージのもっと写りのよい動画がないかと探すと、そちらには最初からクレジットにSteve Winwoodの名前がありました。見落とさなかった私はエライと感心しましたが、後から見れば誰でもわかりそうなものでした。(尚ここにはジョージ・ハリソンの息子のDhaniが出演していて、多くの人がその生き写しの姿に釘付け状態でしたが、その話は別項で。)

それで、6月2日付の「帰っていたスティーブ・ウインウッド」で埋込んだ Talking Back To The Night の中にあったスナップショット(2:12 〜)が、このコンサートの時のものだとわかりました。( ボーカルをやった Tom Petty、Jeff Lynne と。)それでウインウッドが珍しくペンダントをしているのですが……



あれ? もしかして……? あ、あ、大きくしてみたら、やっぱりトラッフィクのマークでした。ねじれて裏返っていますけど。
トラフィックのマークの正式名称は知りませんが、トラフィックのレコードに必ずついていたマークです。件のビデオの中にもいろいろ出てきました。左はレコードのジャケのデザインとして。写真左下の隅にはドラムに描いています。右はステージの飾り? コンサートのチケットにもありました。


昔は洗濯をするたびに、洗濯機の中で水流がこの形になるのをじーっと眺めていたものです。(2年後の5月10日の注:1970年代ですから全自動洗濯機などない時代です。洗濯中に蓋はふつう開けたままで、洗濯物は丸みをおびた四角い洗濯槽の中をぐるぐる回っていました。)これはケルトのマークだと話すのを、60年代のローリングストーンの記事をまとめた本で読みました。私が「ケルト」という言葉を知った最初でした。でも後にケルトについて調べるようになって知ったことには、ケルトにとって「3」が大事な数であり、3本足などに代表される意匠をとくに「トリスケリオン triskelion」と呼びます。ですからこのマークも本来なら3つに分かれた形であるはずです。でもメンバーが4人だったから「4」の形になったのかしらと想像します。それで、何が言いたいかというと、

このペンダントが欲しい!



1967年、スペンサー・デイビス・グループがフィンランドのテレビに出演したとき、出番を待つ時間の会話が残っています。こういうのを「お宝映像」というのでしょう。皆さんもうもうと喫煙しているのに、今では少なからず驚きます。時代ですね。(日本も30年前はこうでしたけど。)テレビのスタッフに「好きなミュージシャンは?」ときかれてお喋りしているところ。全英ヒットを次々飛ばしている「スター」とは思えない、普通のきれいで物静かな人なんですね。(ちょっと退屈しているのかもしれませんけどね。)フィンランド人が黒人歌手のことをしきりと「negro singer」と言うのも時代を感じます。

Spencer Davis Group, Finland (1967)




その頃のスティービー・ウインウッドがどんな「歌手」であったかというと、なんと映画がありました。

The Spencer Davis Group: Nobody Loves You When You're Down And OUt (1966)



レコードには収録されているカバー曲の一つで、本家をしのぐ本家取り。起きぬけにパジャマ姿で歌う歌とも思えませんが(寝かせてもらえず、起こされて歌ったのかもしれませんが)、1966年制作の「The Ghost GoesTo Gear」という映画の1シーンです。映画だからしっかりメイキャップしています。うますぎのピアノを弾く手が若い! ビートルズの映画が大当たりした後に、人気バンドの映画が次々と作られた中の一つだそうです。(日本でもタイガースの「世界はボクらを待っている」など。)そういう若いファン向けの娯楽映画でしょうから、それなりに軽く考えないとネ。おかげで映像が残っているのですから文句はありません。

この映画は2000年にVHSとDVDで発売されて、イギリスやアメリカに今も少し残っていました。その頃は日本でもCDのスペンサー・デイビス・グループの復刻盤がたくさん出ていたようです。

Steve Winwood as of 2008



還暦を迎えて枯れた声がまたいいっ。(I'm Not Drowing はCDよりこっちのほうがいいと思います。)70年頃の南部の黒人のお爺さんがポーチでブルーズを歌っているみたいな、そういうお爺さんになるのかもしれません。2008年。田舎のコテージのスタジオ。どっかに窓がありましたが、騒音なんかないんでしょう。ここで「セレブなシェフ」がいろんな風味ををバランスよく取り入れて一つのお料理を作りあげるように、いろんなジャンルの音楽を取り入れながら曲を作っているのだそうです。室内のファブリックも素敵でした。2009年のマジソン・スクエア・ガーデンのライブを楽しみしていると話します。(私もDVDの届くのが楽しみです。)そういうわけで、スティーブ・ウインウッドは(いつだったのかはわかりませんが)正しいときに正しい場所へちゃんと帰っていたのでした。迂闊にも何年も知らずにいましたが、残念とは思いません。これから聞けばいいんですから。2008年の「Nine Lives」から、おそるおそる遡ってみようと思います。


(追記:2011年6月7日)
ふだんは見ない夕方のテレビからビックリ・ニュースです。11月に北海道をかわきりに来日公演をやるそうです。東京は武道館だそうです。(クラプトンとセットでなければ音の良い小さい所でできたでしょうか?)

2011年6月2日

帰っていたスティーブ・ウインウッド

Steve Winwood: Talking Back To The Night (1987)

なつかしい写真がいっぱい。じーんときます。



「個人教授」というフランス映画が女の子の間で流行っていました。19才の男の子が年上の美しい既婚婦人に憧れてしまう悲しい恋のお話です。映画の広告はそこらじゅうにあって、主役のルノー・ベルレーがスティービー・ウインウッドにそっくりだと(音楽雑誌の中で)話題になりました。写真を比べると本当に似ていました。年も同じくらいで。だいぶ後で映画を見たら、どこから見てもよく似ていて、物語とウインウッドがこんがらがって困りました。ルノー・ベルレーがハンサムだといわれているから、ウインウッドもハンサムなのだと思いました。

私は中学生で「ミュージックライフ」の熱心な読者で、ウインウッドの記事も毎号読み写真を見ました。でも私の知る限り当時テレビやラジオでトラフィックの曲がかかったことはなく、初めて聞いたのは友達が貸してくれた出たばかりの「Blind Faith」でした。その頃はクリームがカッコよかったからエリック・クラプトンのバンドとして聞きましたが、いい曲ばかりだと思いました。翌年くらいにテレビの「ナウ・タイム」というアメリカのサブカルチャー番組で Hole In My Shoe を聞き、素敵だーと思いました。初めての自分のレコードは1972年で「Paper Sun」です。これは憧れの岡井さんが四人囃子として(たぶん初めて)ステージに立つというので今はなき銀座のヤマハホールに聞きに行ったとき、帰りに貰いました。何故か出口で大きな段ボール箱からお客の一人一人にシングル・レコードをお土産に配っていて、私が貰ったのがトラフィックだったというわけです。(B面は No Name, No Face, No Number。)(たぶん在庫処分で、一緒に行った友達が貰ったのは演歌でした。)そんなぐあいに、いちいちいろんなことを思い出します。

ほんとに好きになったのはそれからで、遅ればせながら1974年からトラフィック、スペンサー・デイビス・グループ、いろいろなセッションのアルバムを集めました。かなり努力して30枚くらいです。

Traffic: Paper Sun (1967)



これがプロモーション・フィルムとはス・ゴ・イ・デ・ス・ネ!(今よりずっと自由ですね。)こういう風変わりなことはジム・キャパルディの趣味でしょうか? 一応みんなで「ペイパサーン......」と口パクしているのに、勝手に何かを取り出して見てますが。70年代にキャパルディは言いました--「キース・エマーソンなんかスティービーの靴の紐も結べないさ。」たしかにキース・エマーソンなんて消えてしまいましたね。そのキャパルディもすでに故人。いつもスカーフをしていたお洒落でキュートなクリス・ウッドも、ほんとに若くして故人となりました。さっさと飛び出たデイブ・メイスンはその後どうしたものやら。

スティービー・ウインウッドの音楽や才能の話などしませんよ。(「太陽をろうそくて照らす」なんてことは。)私はこの人の声も演奏も曲も顔も好きで、さらに清潔感が好きです。この人には清潔感があるんです。男の子っぽくて、「女の子なんか知らないよ」とばかり男の子の仲間どうしで元気いっぱいに駆け回って、ふざけたり遊んだりしているような雰囲気が好きでした。上手く言えないので敢えて逆から言うと、彼の音楽には汚いものを感じないということです。声も顔も、私は彼を「きれい」だと感じ、それは彼が大人になっても変わらなかったと思います。(「きれい」だから好きなのではなく、「きれい」だから生まれる音楽があるのではないかと。ウインウッドの良さには技術とか才能とか努力とか以外にそういう要素があるのじゃないか、そこが胸とか心とか頭に響くのではないかと思えるわけです。妄想ですけどね、妄想。)

私はどーもエリック・クラプトンが苦手です。「レイラ」からだめです。クリームやブラインド・フェイスはカッコよかったし、「オーシャン・ブールバード」のコンサートにも行きましたが。そもそもあまりに大きくなりすぎて、音楽の外でも通用する大スターになってしまうと(音楽以外の話題でCNNなんかに取り上げられる状態)、なんだか人間が濁るような気がします。あるいは濁らされた結果セレブ的大スターになるのかもしれませんが。そして音楽が濁る。紀尾井町ホール支配人が絶賛するからCDを買いましたが、一度聞いたらもう沢山。(もちろん偏見ですけどね、偏見。)

その点ウインウッドは幸いセレブの要件を満たしていないのではないか、そしてある種不器用ではないかと。たとえばドラマ仕立てのビデオクリップで何か演技するとか歌って踊るということが出来ない人だと思います。そんなこと、彼にはする気がないしする必要もないし。(「マジカル・ミステリー・ツアー」の中にいたといいますけどね。)MTVの時代になって艶っぽい挑発的な映像のプロモーションビデオが増えていっても、彼の書く歌にそういう映像は似合わないし、彼にも似合わない。しぜんと清潔なんですよね。連日パーティーのはしごをする時間があれば家でギターを弾いているのではないか----事実がどうであれ、そう感じらることがいいんです。そもそも15才から45年以上プロの世界の第一線にいて、お金、女、薬物、その他のスキャンダルが全くないのは驚くべきことです。(お兄ちゃんのマフがバンド活動を離れた後にレコード会社を設立して音楽業界の重鎮にもなったから、他の人達にくらべて業界の魔物から守られてきたのかもしれません。)私が知らないだけですか?

そのアイランド・レコードがいい会社で……。昔の話ですが、1977年か前の年、ウインウッドが初めてのソロ・アルバムを出すと知ったとき、「日本の音楽雑誌なんかろくに情報がないし、私は全然信用していないんだ、新しいアルバムが出るそうだけど何か教えてください」とアイランドにお手紙を書きました。そしたら、しば〜〜らくして、発売日の直前にエアメイルでLPが届いたんですよ! あの色鉛筆の絵の「Steve Winwood」です。信じられますか??? いい時代でした……。

でもその次の Arc Of The Diver が私の最後のウインウッドになりました。ほんの少しの曲以外、もう夢中になれませんでした。その後MTVで「バレリ〜♪」と歌うのを見たことがありますが、ちょっと勘弁してよと思いました。ウインウッドは大好きだけど、新しいのはもういいと。

Steve Winwood: Night Train (1980)

Arc Of The Diver のアルバムで好きだった Night Train 。ドラム以外全部一人。画質も音も悪いので小さく埋め込みました。



そういうわけでこんなにカッコイイ曲を知りませんでした。こうでなくちゃ!と思います。出だしの2拍が「Paper Sun」にそっくりです。(映像が悪趣味なので小さく埋込みました。)

Steve Winwood; Roll With It (1988)



でも YouTube を見ていくうちにびっくりですよ。私が知らない80年代のウインウッドは、先ほど書き並べた私の思い込みを悉く打ち砕いていたのです。実にMTVの流儀に沿った変容をとげていました。(リンクを付けましたが見てほしいわけではありません。)

ある日突然ギターを置いてハンドマイク! 楽器を持たずに歌う姿を初めて見ました! Finer Thing (1987)
さらにマイクも置いて踊りだすじゃありませんか! そして明らかに音楽とは不釣り合いな、胸を押さえていないと落こってしまいそうな服のお姉さんがクネクネしたり、おなかを出したお姉さん達が髪をふり乱して踊り始めます。Higher Love (1986)
それからとうとう歌うのをやめて歌の雰囲気づくりをします。一人うらぶれて町を歩く男の場面と、(モデルか本当のガールフレンドかわかりませんが)男が恋人と一緒で幸せだった場面を演じます。Back In The High Life Again (1986)
しかも時代は後になりますが、YuTubeには新しいアルバムの発売についてウインウッドにインタビューしたCBSのニュースまでありました。

……あああ、ちょっとそれは違うでしょうと2011年に言っても、それが1980年代というものでした。そして驚いたのは、Wikiでディスコグラフィーを調べると、ちょうどそういうことをやっていた(と思われる)1986年から1990年まで、シングルが毎年全米第1位です。イギリスやドイツでは30位や50位でも。たとえば1988年の Holding On はビルボードの全米アダルト・コンテンポラリー・チャートで1位、メインストリーム・ロック・チャートで2位。でもアメリカ以外(イギリス、ドイツ、オランダ、ニュージーランド、カナダ)では100位圏外という落差はいったい何なんでしょう。明らかにアメリカ市場に的を絞った戦略の結果ですよね? だから……犯罪をにおわす導入部、娼婦のようなけばけばしい女達、貧しい黒人街の人々、何十年か前のモノクロの……そこを通り過ぎる真っ白なスーツを着た白人男のウインウッド。頻繁に目を射る不快なフラッシュ……なのです。なんとまあウインウッドの音楽に対してお祖末な。だいたいビデオ用の大根役者の群れがウインウッドの音楽をもり立てることができるんですか? (音を消して見れば、どのビデオもどれほど下品で disgusting な映像か誰でもわかりますよ。)こういうのはみんなたちの悪い大衆操作の記号でしょ? ともかく性や暴力や犯罪をちらつかせればアメリカでは売れるということなのでしょう。(アメリカ人の潜在意識は既にそうとうやられていたんですね。)アメリカのミュージシャンよりはましでしょうが、でもああいう醜悪な映像で音楽を汚してほしくありませんでした。

そしてバージンに移籍してからのビデオはセピア色で、さびれた町や廃屋、40年代50年代など過去を連想させる物もの、荒廃して陰気で、そんなのばっかりですか? でもこれ以上見たくないのでおしまい。知らなくていいし、どうでもいいし。

思い出すまでもなく、ウインウッドは最初から時代の音楽を表現してきました。80年代には80年代の音楽を作ったまででしょう。とってもポップなトラフィック、さらにロックなブラインド・フェイスへと展開していったとき、コアなSDGのファンは残念だったに違いありませんから、私が80年代の彼を残念に思っても不思議はないのです。(80年代が一番好きという人ももちろんいるわけですし。)でもその次には、やはり原点に戻るものですね!(これを書き終わったらゆっくり2008年の「Nine Lives」を聞こうと思います。レーベルはコロムビアです。)

クラプトンとウインウッドのコンサートの映像がありました。2007年の「クロスロード・ギター・フェスティバル」というののライブです。クラプトンはいつの間に顎が縮んで爬虫類のユダヤ人のような顔になってしまいました。老け方もウインウッドのほうがいいと思います。とまれ二人が並べばやっぱり凄いから最後に一発。

Steve Winwood, Eric Clapton: Had to Cry Today (2007)



ウインウッドは骨の髄までミュージシャンですねっ! すごーいっ! 演歌でもポップスでも若いときの歌を歌う人は楽なように変えてしまうのが普通ですが、この人は1969年の Blind Faith のときとまったく同じじゃありませんか。ただの1つの音も変えないって……すごすぎ。(だからもう Sea Of Joy を歌わないのかもしれません。残念ですが。)それで、え、なに、二人が同時に弾いている!! すごすぎすぎ……。そして今になれば、Presence Of The Lord (クラプトン作)よりも Had To Cry Today や Can't Find My Way Home (ウインウッド作)のほうが聞きごたえがあるし舞台映えしますね。なんちゃって。最後のハグは……クラプトンはほんとうにスティービーが好きなんだね。

2007年の時点で60年代のスター達は現役としてこれだけのことをする。かつての人気バンドのチャラい再結成やリバイバルがしばしばありますが、60年代の大スター達ほど肝のすわったミュージシャンが後の時代にどれだけいますか? ポップスとは、60年代の人達に始まり、そのまま終わるんでしょうかネ。



「クロスロード・フェスティバル2007」のDVDはアメリカやイギリスのamazonで入手可能ですが、アメリカ盤は2枚組で8時間あり、ウインウッドとのセッションはその一部(39曲中の5曲)に過ぎず、何より地域がアメリカ/カナダ限定です。(TPPに入ったらこの壁はなくなるのですね♡ なんて、その手には乗らないぞ。)そしてその5曲はYouTubeで流れているのですが。しかしアーティストへの敬意として、喜びの対価は支払うべきだと思います。

というわけで夜更けにイギリスのamazonに行って、マーケットプレイスの安い新品を買いました。
ついでに評判のよい2009年の「マジソン・スクエア・ガーデン」も買いました。ブルーレイのほうが音も絵も格段によいという日本盤のレビューがありましたが、うちにはブルーレイの機械がないのでDVDです。
ついでに、なんとスペンサー・デイビス・グループのDVDも残部僅少で出ていたので買いました。当然です!
ついでに……(30年ぶりなのだから、あと4枚くらい、いいでしょう?)

昨日は本を沢山買ってしまったのに、困ったことです。とうぶんおやつを我慢します。


(追記:6月7日) 
本日のビックリ・ニュースです。2011年11月にクラプトンと来日公演をやるそうです。東京は武道館だそうでナニです。せめて2011年11月11日だったらよかったのにね!

2011年5月26日

ピーター・フランプトンの変わらない変遷


Peter Frampton: 1968, at the age of 18
(近日中に古いミュージックライフを押入から出してくる予定です。)

ピーター・フランプトンといえば希代の美少年でした。そして「本当はギターが上手いのに、顔が良すぎて実力を認めてもらえない損な人」と言われていました。女の子にキャーキャー言われるアイドルなんかに音楽ができるものか、というわけです。一方「誰からも好かれる人、彼を悪く言う人がいない」ともいわれていました。いずれにせよ、私の頭には18才のフランプトンの顔写真が焼き付いています。なんてきれいなんだと思いました。スケッチブックの画用紙に柔らかい鉛筆で何度もそのハーフシャドウの肖像を写しとろうとしたものです。だからといってハードやハンブル・パイのレコードを買おうと思ったことがないのですが。この雑誌の長いインタビュー記事で覚えているのは「僕は結婚という束縛なしに一生ひとりの女性と暮らしたい」という言葉です。子供にはよほど刺激が強かったんでしょう。私はビートルズに夢中な中学生でした。

The Herd: Paradise Lost (1968)



うわー、イギリスのポップスですねえっ! 夢のような世界です! 1968年と言えば私は小学6年生〜中学1年生。ラジオから聞こえてくるスタックスやモータウンのリズム&ブルーズにしびれていましたが、グループサウンズも好きでイギリスのポップスにも惹かれはじめていましたから、ポップスの本場のこんな曲を聞けば、(顔を知らなくても)胸がわくわくして憧れたと思いますよ。私は今でもずーっと60年代の音楽が大好きです。

60年代ですからドラマーもパフスリーブです。日本の「オックス」みたいですね。そういう時代でしたよね。あとになって後悔しない服装をしているのはピーター・フランプトンだけですね。いくら流行りでもヒラヒラは好きじゃなかったのでしょう。このあとハードを脱退してスモール・フェイセズのスティーブ・マリオットとハンブル・パイを結成します。翌年には何をしていたかを見れば、宜なるかな。(埋込みができない動画のため、ジャンプして聞いてください。(動画には1968年とありますが、Wikiによればこの曲のリリースは1969年7月です。)(H25/5/3: 2年後に来てみたら貼れました。)

Humble Pie: Natural Born Boogie (Aug,1968)



かっこいい! スティーブ・マリオットはお洒落なモッドだと思っていましたが。フランプトンもハードの時とは別人のようにいきいきとしています。ハンブルパイってすごいバンドだったんですね。こうした映像を当時「ビートポップス」で放送したとしても、ヤワな子供の私が受け入れたか疑問ですが、今 YouTube にあるハンブル・パイのライブを聞くとマリオットのボーカルに圧倒されます。(ロッド・スチュアートやロバート・プラントは粗大ゴミですか?)しかしそれだけにハンブル・パイはスティーブ・マリオットのバンドになっていくのでしょう。フランプトンがいつまでもそこに留まらなかったことは後でわかります。

1970年にビートルズが解散すると、大きな星はつかみ所のない4つの星屑になり、音楽の世界は重心を失ったかに見えました。私は何を聞いたらいいのかわからなくなって、そのうち入れ替わるように岡林信康や、そのライブで知ったはっぴいえんどに傾いていきました。イギリスではブリティッシュ・ロックが全盛期を迎えることになり、ちょっと離れると誰が誰だかわからなくて、60年代からいる人以外ついていけませんでした。しかもそのロックがくせ者で……そこでは音楽がよければ容姿など関係ないのです。ハードロックが盛り上がるほど容姿がアレで……才能のある人には幸せな時代でした。だからマーク・ボランが登場すると、世の中も私も友達もかなり盛り上がったものです。その後1974年くらいからラジオを聞く時間ができて、60年代を掘り返しつつ、再び同時代の英米音楽に触れるようになりました。まあ、私はそんな状態でした。ビージーズがディスコ音楽に転向して、フリートウッド・マックがイメチェンして、ホール&オーツがヒットを連発して、沢山の一発屋さんが出没しました。

その70年代半ば、フランプトンは突如舞い戻ってきたのです。

Peter Frampton: Show Me The Way (1976)



冒頭から面白い音が聞こえますが、トークボックス(talk box)といって、ギターの音を口から出しているのです。ギターの音で喋ったりします。

でも本当は「突如」ではなく、彼は音楽をやめてはいませんでした。レコードを出していましたし、アイドル時代とは違ってお客を集めるのも大変でしたが、借金しながら自分の力でライブを続けていたのです。しかしそのライブがだんだん評判をよんで、いつのまにかとんでもないことになっていったので、レコード会社がライブ盤を作ることを決めました。録音が済み、スタジオでフランプトンが「どの曲を入れようかな〜、これは外せないし、こっちも入れたいけど……」と悩んでいると、社長がやってきて録音を聞き、その場で「2枚組にしよう!」と決めてしまいました。フランプトンは驚喜します。2枚組は値段が2倍で売り上げに響きますから、よほどの確信がなければありえません。ましてやライブ盤では。でも鶴の一声ですからね。だから彼は思い通りに作り、その年何百万枚の売り上げを記録することになるレコードが生まれたのでした。(当時はNMEとかRolling Stoneとかよく買っていましたので、そんな記事を読んだ記憶があります。)

Frampton Comes Alive! (1976)



私も買いました。(このジャケットは好きじゃないんですけど。)ハンパじゃない大歓声が感動的で、こちらの気分も盛り上げます。何曲か好きなものばかり聞いていましたが、ひと言でいえばとっても気持ちのいいアルバムでした。「いつでも夏を思い出す」と言う人がいましたが、そういえば私も自分が聞いていた部屋の気持ちのいい夏を思い出します。このアルバムからは次々ヒット曲が生まれ、この頃は年がら年中フランプトンの歌が聞こえたように思います。

70年代に聞いていたのは米軍の極東放送(FEN)で、とくに土曜日の「アメリカン・トップ40」は欠かしませんでした。そういうときは好きなのも嫌いなのも、流行った曲を全部聞いているわけですが、80年代に入って働き始めるとラジオから離れ、自分の好きな音楽しか聞かなくなりました。フランプトンのその後も全然知らないのです。

Peter Frampton: Lying (1985)



いきなり80年代のシンセの音。「1時間前に他の男と会っていたのを知っているんだよ、この嘘つき〜」というつまんない歌詞のキャッチーな曲をすごくカッコよく歌っています。ギターが凄っ。しかしキーボード・プレイヤーが演奏中にやたら派手に動くのは80年代の特徴で、それは鍵盤楽器すなわちシンセサイザーの台頭もしくは浸食の現れでしょうか。80年代の味付けは60年代からのベテラン達にも影響を与え、それぞれが取り入れています。でも80年代のために生まれて来た人達に太刀打ちできたんでしょうか。ヘビメタはヘビメタだし……。ビデオの最後に出てくる物乞いは面白いけど(テレビ番組の有名人らしい)、それは冗談? それとも80年代の現実?

YouTubeが面白いのは、こうして自分の知らない時代の音楽を聞けると同時にコメントが読めることです。古雑誌を探して記事を読むのとは違い、昔からのファンから今初めて聞いた人まで、いろいろな感想があります。「この曲はもっとヒットしてもよかった」「彼は過小評価されている」そういうコメントが目立ちます。(今の私の見立てではベスト10内に5週間? たぶんそれ以下だったのでしょう。)でも80年代には80年代のスターがチャートを賑わしていたはずです。彼らのヒット曲が今どう聞こえても、たとえ何も残っていなくても、ヒットはヒットで、力量や普遍性を計る物差しではないのですからしかたありませんよ。(画質が悪いので小さく埋めました。)


そしていきなり今日です。実はなんと動いているピーター・フランプトンを見たのは今日が初めてでした。私にとって懐メロの宝庫であるYouTubeでウォーカー・ブラザーズを鑑賞中、スコット・ウォーカーとピーター・フランプトンはお顔の骨の形が同じかしら、というふうに連想したからです。「the herd」で検索するとすぐ出ました。それから「peter frampton」を検索すると驚くべきものが……

え、え〜っ、これがピーター・フランプトン?! たぶん今は60才くらい……え、60才?(我が身を省て、ドキッ。)私は取り乱しましたよ。その動画の投稿は2008年。町のまんなかでおじさんが「Show Me The Way」を歌っています。確かにこの声を知っていますが……見物人は多くないし、あまり盛り上がっていないし。おじさんもときどきちょっとバツが悪そうに見えなくもない……とてもいい笑顔だけど……。でも何をやっているの? そこは何処? だいたいどうしてフォックス・ニュースが音楽ライブをやっているの?!?! 

どうやら2007年にグラミーを受賞したようです。本当なら1976年に「Frampton Comes Alive!」で受賞するべきだったところを(イーグルズの「Hotel California」に持っていかれて)、30年後の「Finger Print」というアルバムで順番が回ってきました。なにそれ。

翌2008年に再びグラミー賞の授賞式にゲストで参加した折、ニューヨークで街角ライブを行なった(やらされた)のでしょう。(「No」と言えないのかっ。)グラミー賞の会場ではローティーンの(と思われる)娘と一緒。そこでチャラいレポーターにいきなり「ハーイ、髪の毛のないピーター・フランプトンね」なんか言われて「そーだよ」ってさらりと答えるこの人は、えーっ、ほんとうにいい奴なんではないですかっっ?

最後はこのビデオ。

Peter Frampton: Invisible Man (2010)



何度か見ていると、この人はずーっとこんな感じで、ここにあの20代のお顔を貼付けてもおんなじなのじゃないかと思えてきます。後ろ姿の丸い背中はオヤジそのもの。でもこの人はきっと、おなかが出るような生活はしないかわりに、腹筋が割れるまでジムで鍛えることもしない普通の人なんでしょう。ずっと弾いてきたからギターが上手い。ずっと歌ってきたから声が若い。いろいろ苦労もあったけれど、屈託なく笑い、音楽を続けている。いい家族と仲間がいれば、それっていい人生じゃない? あー、なんか好きになっちゃうかも。

すごく上手いミュージシャン達と普通にセッション。あえて歌っている場面のないビデオの、ぜんぜんカッコつけないカッコよさ。(でも実は照明をかなり工夫していて色のきれいなビデオです。)大人だなあ。こういうのを私は「安心して聞ける音楽」と呼んでいます。高品質で安定していて、雰囲気がよくて気負いがなく、その奥には誇りが潜んでいるような音楽のことです。結果、心地よい。

そしたらYouTubeにこんなコメントがありました:Hey all you youngsters out there - this is how it is done. Great vocal, excellent musicians and a story to tell. No dancing, no lip syncing, no fluff....got it? (ここに来た若い連中に言うけど、これは見たまんまだ。すごいボーカル、素晴らしいミュージシャン、そして語るべき物語だけ。ダンスや口パクやミスはいらない。わかった?)「30才未満お断り」と書こうとしましたが、今の時代に音楽の何たるかを知るためには30才未満こそ見るべきかもしれません。

(文中「ビートポップス」と書いたのは60年代にあった土曜の午後のポップス番組です。NETテレビでしたっけ? 大橋巨泉、星加ルミ子、木崎義二の司会で視聴者の投票その他で作るベストテンをやるのですが、うち何曲かは当時珍しかったプロモーション・フィルムを流すのですから、ポップス・ファンにはものすごく楽しみな番組でした。)

☆   ☆   ☆   ☆   ☆


……私は2008年の彼の容姿に、ファンでもないのに戸惑いました。(ファンじゃないからかもしれません。)だから1968年まで遡って、こんな文章をダラダラ書いているのです。ではどういう60才だったら驚かなかったかと考えると……何も思い浮かびません。(ミック・ジャガー? 堺正章? まさか。)でもライブを続けているのは、やっぱり嬉しいことでした。

公式サイトを見たら、今年は6月から半年がかりで「Frampton Comes Alive! 35周年ツアー」をやるそうです。そういう企画はな〜んかドンくさい感じがします。新しいアルバムをコンスタントに出しているのに、ファンが望むからやるんでしょう。70年代の音楽シーンのほうが好きだという若い人も多いようです。確かにいい時代だったし、お金になるし。でも60年代にロックした人がベンチャーズになっちゃっていいんですか?(今年だけですよね?)ファンが望むといっても、それを一生引きずるのは、あまり幸せには見えませんけど。この人、いつもそのへんの締めが甘いんじゃありませんかネ。

70年代はレコードとビデオの中にとどめましょうよ。だって彼は生きているんだもの。今振り返れば Frampton Comes Alive! は明るくて元気でやさしさがいっぱいのアルバムでした。それは若いフランプトンの笑顔そのもの。80年代には少々悪ぶったかもしれませんが、お行儀のよい気持ちよさがこの人特有の持ち味ではないかと思います。上のビデオだってそうです。私が求めるとしたら今の彼の、今でも明るくてやさしいオヤジの Comes Alive であって、歯切れの良い気持ちのいいやつを、ファンクでもポップでも新作でもカバーでも聞きたいものです。それがつまんなければそれまでのこと。でもそんなことはないでしょう?

だから昔の歌は歌わなくていいよ。髑髏のプリントなんか着ちゃだめだよ、悪い人達につけこまれるよ。

フランプトンの What A Wonderful World を聞きたいと、今ふと思いました。


おまけ

Humble Pie: For Your Love (1969)

ヤードバーズのヒット曲をアコギでカバー。パーカッションが途中ダレても許す。




Peter Frampton: Baby I Love Your Way (1976)

バラードでイントロを間違える、とってもキュートなピーター。



「But don't フルフル hesitate フルフルフル ....」って、もう犯罪的ですね。このビデオはこんなにボケてるのにiTuensで売っているのですよ。買っちゃおかなっ。

2011年5月7日

アンパンマンのマーチ

さきほど見つけたのですが、3月15日にはこんな動画が公開されていたんですね。



コメントによると、やなせたかしは「戦死した弟さんのための歌詞だと聞いたことがあります。そして、 戦後のお貧しい生活の中で食べることがどれだけ大事か痛感したた めに、【アンパンマン】を書かれたそうです」。

(追記:5月9日)
最後に出てくるおじさんはニュースで見ました。津波で孤立した家から救出されたんですよね。おじさんがあの表情で「また再建しましょう」と言ったとき、おじさんが前にも災害か戦争から再建したことを察し、それは幾多の災害や戦争のたびに立ち直った日本と重なって、誰もが心から「そうだよ!」と思ったことでしょう。被災者に日本の希望を感じるなんてとても変なのに、私はそう感じました。このビデオを見て泣ける箇所は人それぞれで、私は子供達につらい気持ちになるけれど、泣けるのはこのおじさんです。お元気でいらしたらと思います。


(追記:5月9日)
YouTubeは一つのビデオが終わると自動的に関連ビデオが出るのですが、ここでは関連があると思えない「いかに日本人が嫌われているかよくわかる動画」というものが勝手に出てしまいます。ろくでもない動画ですから無視してください。(といっても、もう見ちゃったかもしれませんが……。)

2009年9月12日

ビートルズのデジタル・リマスター盤



9月11日、ビートルズのデジタル・リマスター盤というのが出たそうです。その日、テレビの「タモリ倶楽部」では旧盤との聞き比べをやりました。

だいたいのところ、実際に演奏したり歌ったりしているのにレコードやCDでは音声がよく聞こえなかった部分があり、デジタル・リマスター盤ではよく聞こえるようになった、ということのようです。曲ごとに「ドラムの音」「オーケストラの音」「バックのボーカル」等々、ポイントを解説しながら聞き比べると、確かに違いはわかりました。でも「違い」=「優劣」なんでしょうか。

番組を見たかぎり、私は聞き慣れた昔の音のほうが好きです。今後はデジタル・リマスター盤が公式なビートルズとなるそうなので、なくならないうちに従来のCDを買っておこうと思いました。(全部持っていないのがバレましたが。)(9月11日)

2009年3月31日

来たよ来ましたインド映画 (eBay)


eBayで3月22日に購入した「Umrao Jaan」と24日に追加した「Dhoom: 2」が一緒に郵便で届きました。競りではなく「Buy It Now!」(出品者の販売価格)で購入したものです。eBayで購入するにあたっては、商品説明をよく見て、

  • オリジナル版であること(偽物ではなくても、一つの映画にいろいろなバージョンがあるらしいのです。たとえば全編か短縮版か、1枚組か2枚組か、ボーナス映像の有無…………等々)
  • 地域が「worldwide」であること(日本でもちゃんと見れるように。)
  • 英語字幕がついていること(物語を理解する手がかりが少しでもあるのと無いのでは大違いです。)
などを確認しました。(「Umrao Jaan」出品は1点のみでしたが、オリジナル版でなければ買いませんでしたよ。)

届いた品物を確かめました。どちらもインド製で、まず紙ジャケなのがエコです。中にはディスク以外に解説も別刷りの広告もなく、すっきり簡潔。肝心の中身ですが、ふだんはDVDプレイヤー(旧式)をテレビにつないでいないためMacに入れてみました。いずれも説明どおり絵が出るし、英語字幕も選択でき、一安心しました。(ここで説明と違う不都合があれば、売り手に苦情を言わなければなりません。一仕事です。)

映画はどちらも超美人女優のAishwarya Raiの出演作品で、一つは19世紀の古式ゆかしい恋愛世界、もう一つは現代+SFまがいのアクションものです。後者の「Dhoom: 2」を先に少し見ました。2006年製作。もう冒頭から信じられない活劇で、「嘘でしょう、かんべんしてよー」と笑ってしまいます。ハリウッド映画同様、派手過ぎる不可能なアクションをいかに本当っぽく作りこむかに腐心しているのでしょうが、な〜んか違う。ハリウッドが緻密なことをやると神経をすり減らされる気がして、テレビ広告を見ただけでうんざりですが、ボリウッドはほんとに大らか。「娯楽」の名の下に何でもありでございます。そしてダンスシーンは(2月に「Devdas」で仰天したとおり)ハリウッドの比ではないでしょう。こんな感じです。



彼女のダンスは一分の隙もなく、どんなに激しい動きでも実にしなやかです。本当にすごいと思います。ただ(彼女の責任ではないといえ)衣装がアレですけど…………何度か見れば慣れます。ところで映画を見て知りましたが、インド人てインド人どうしのお喋りなのに日常的にヒンズー語と英語がチャンポンなのですね。

2009年3月23日

数年ぶりの eBay

インドの女優さん、Aishwarya Rai が出演するインド映画が見たくなりました。このブログに書いた「Devdas」のDVDはインドカレーの「シャンティ」さんが見つけてきてくれたのですが、もう一つ「Urmao Jaan」も踊りのシーンが素晴らしくて見たかったのです。しかしイギリスのamazonにも見当たりません。それで随分たってから「eBayにあるかもしれない」と思いつき、数年ぶりに見に行きました。というわけでeBayの話をします。

eBayはヤフーオークションと同じネットオークションのサイトです。(個人や企業が売りたい品物を出品し、買い手が値段を競う公開市場です。)しかしアメリカ、ヨーロッパ、アジアの30ヶ国以上にまたがり、一つに登録すればどこの国でも取引ができるという凄い所です。前回は憧れのアリス・スターモアや三ツ葉屋さんが見せてくれたイギリスの編物の本が欲しくて行ったのですが、想像を超える宝の山で興奮しました。アメリカのeBayではイギリスからの出品も見たり買ったりできることがあり、ほんとうに凄いのです。欲しかった本のほとんどと、どうでもいいものを沢山手に入れました。(送料がたいへんでした。)



今度の目的のインド映画「Urmao Jaan」もすぐに見つかり、ついでにAishwarya RaiがMTVも青ざめる今風のすごいダンスを踊る「Dhoom 2」も買いました。インド映画専門の出品者でしたから、先月このブログで紹介したYouTube(「インド歌謡ショー」の一つ目)の映画のことを尋ねると、「Chhupa Rustam」だと教えてくれました。そのDVDは別の出品者の所に売っていましたが、購入を迷っています。英語字幕なしだからです。(それになんと、ブツ切り状態で映画全編がYouTubeにあるのでした。)

2本のDVDはオークション(競り)ではなく出品者の決めた値段での購入で、それぞれ9.99ドルでした。(そこに送料が4.99ドルずつ加わりますからあまり安くないかもしれませんが。)支払いを済ませ、今は届くのを待っているところです。しかし…………ひびの入ったお茶碗から自動車まで何でもある所ですから、見ているだけでも面白くて、ついつい徘徊してしまいます。その結果…………ドールハウスなどミニチュア物にはまってしまいまい…………いけない、いけないと思いつつ…………現在進行中です。

(さっそく気になった玩具のティーセットです。古い物ではなさそうですが、お盆の横幅が20センチ足らず。想像してくださいよ。現在32.99ドル。日本への送料は(重さがあるし割れ物ですから)31.75ドル。う〜ん…………)
数年ぶりのeBayは使い方が変わっていて最初は戸惑いましたが、明らかに前より良くなっている点があり、日々改善がなされているようです。ネットオークションでは普通の海外通販以上にたくさんの注意すべき事柄があると思いますから、こんどまとめて書いてみるつもりです。

2009年3月7日

シド・バレットも好きでした

The Pink Floyd & Syd Barrett Story (DVD)
ナウオンメディア/2001年
本編49分、おまけ21分
3990円

真面目な美しいドキュメンタリーでした。ロジャー・ウォーターズの思いが伝わってきます。インタビューの合間に流れるシド・バレットの歌は、毎日聞いていた頃と同じにひかれますが、彼と親しかった人達がその音楽や言葉について語るのを聞くと、今日はもっと深く深く美しく聞こえました。ちゃんと歌詞を理解したくなりました。文学のように難しいでしょうが。

もちろんピンク・フロイドが好きで聞いていたからシド・バレットを知りました。70年代の前半、たまたま輸入盤で「The Madcap Laughs」と「Barrett」が一緒になった2枚組を買ったのと、「The Piper at the Gates of the Dawn」を買ったのと、どちらが先だったか忘れました。1967年のピンク・フロイドのファースト・アルバムは、「The Dark Side of the Moon」から聞き始めた人間には、むやみには捨てがたい雰囲気を感じるもののかなり面食らいました。いっぽう2枚組のアルバムは一度聞いたら忘れられない曲ばかりで、夢中になりました。力の抜けただらしないような歌い方で、何にも似ていず聞いたことがないのに、どの歌も懐かしくしみるのです。輸入盤で歌詞カードがないから、鉛筆を握り耳を澄まして一生懸命聞き取ろうとしました。彼が住んでいるというケンブリッジの町を歩くことに憧れました。そして立派になったピンク・フロイドなんかどうでもよくなりました。「Wish You Were Here」が出たときでさえ。でも今は聴きたいと思います。2枚組のレコードはその後CDを買いました。ずいぶん聞いていませんが、聞いても聞かなくても宝物です。

YouTubeに散らばっている動画の多くはこのDVDから出ていたのですね。でも全編通して見てこそ価値があります。ピンク・フロイドは顔で売っているバンドではなかったし、70年代のロジャー・ウォーターズは頬骨の出た長い顔としか思いませんでしたが、このドキュではとてもいい顔になっていて、心のこもった話し方がいいのでした。きっといい人なんでしょう。最初の出会いは8歳くらいだと言います。こんなふうに語ってくれる友達がいるシド・バレットは幸せだと思います。

ピンク・フロイドを離れた彼と一緒に演奏活動をしていたというロビン・ヒッチコックが、おそらく自宅の庭のベンチで、雷の音を気にしながら「雨の日に似合う」「一番好きだ」と言いながらアコースティックギターで「Dominoes」を歌います。字幕を読みながら、まったく違う声なのに歌のやりきれなさと彼の悲しみが溶け合うようで、自分一人で聞いたことしかなくて自分に見えることしか見えなかった歌の本当の姿を見るようでした。いいなあと思いました。おまけの映像には「It is Obvious」も入っています。歌は中断しますが…………。

でもブラーの一人、グレアム・コクソンがシド・バレットについて語るとは思いもよりませんでした。3世代も4世代も違うブラーが?! おまけの映像では「Love You」を歌うのです。驚きです。私がブラーを一度で気に入ったのは、こんなにシド・バレットを好きな人の音楽だったから?と思うのは、不思議な気がしていい感じです。

この数年後、シド・バレットも死にました。翌年には住んでいた家と持ち物や絵が売りに出されました。晩年の姿は、隠し撮りのような映像をついこのあいだYouTubeで見ました。坊主頭のデブ。誰これ? 若い日の面影はみじんもなく…………でもいいんです。別に、今さら、それが何なの。

このDVDは何年も前に恵比寿の写真美術館の売店で見かけました。そのときは手持ちがなくて買えなくてそのままでした。今はもう在庫だけかもしれません。そのうちにと思っていて廃盤になるのが一番嫌なこと。買ってよかったと思います。ところで、本編もいいけれど広告もいいのでした。ビル・ワイマンがブルースを語る「Blues Odessey」とマーチン・スコセッシの「私のイタリア映画旅行」。どちらも欲しくなる内容で、広告まで繰り返し見てしまいそうです。(3月5日)


Dominoes

It's an idea, someday
in my tears, my dreams
don't you want to see her proof?
Life that comes of no harm
you and I, you and I and dominoes, the day goes by...

You and I in place
wasting time on dominoes
a day so dark, so warm
life that comes of no harm
you and I and dominoes, time goes by...

Fireworks and heat, someday
hold a shell, a stick or play
overheard a lark today
losing when my mind's astray
don't you want to know with your pretty hair
stretch your hand, glad feel,
in an echo for your way.

It's an idea, someday
in my tears, my dreams
don't you want to see her proof?
Life that comes of no harm
you and I, you and I and dominoes, the day goes by...

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