お買物のはなし・新旧おりまぜスローにやります

2011年5月9日

「原発・勇気ある撤退」……これからの課題

チェルノブイリ原発事故後に作られた番組のようです。地方のテレビ局が放送したのでしょうか? 実は題名があまりよくありません。「勇気ある撤退(をするべきだ!)」というのが本当です。

内容は現在もそのまま通用します。導入部のコントがかなりイケテます。こんどの福島原発事故で有名になった京大の小出先生(お若い!)が登場します。しかし今振り返ってみれば、どんなに説得力のある努力がなされても、一部の人が原発のために敷いたレールは誰にも動かせなかったのだ、という話でもあります。


牛乳が飲みたい_原発・勇気ある撤退



2つめ(すべてYouTubeのマークをクリックするとYouTubeのサイトで見ることができます。TouTubeで見れば大きい画面で動画に対するコメントも読めます。)



3つめ




これを見て思い出したことがあります。40年くらい前には、私より少々上の世代が親や祖父母の世代に対して「なぜ戦争を止めなかったのか?」という詰問にも似た問いかけをよくしたものです。「だっていつの間にかそうなっていた……」「だってそんなことを口にしたら大変だった……」というのが大方の答えであったと記憶します。今いわゆる若い世代が上の世代に向けて「なぜ原発を止めなかったのか?」と問うたら、たいていの場所で「だっていつの間にかそうなっていた……」、原発を誘致した地域では「だってそんなことを口にしたら大変だった……」と言うのかもしれません。

意地悪を言えば、戦前の世代に「なぜ戦争を止めなかったのか」と問うた人達自身が原発を止められなかったということです。

しかし原発は40年にわたる問題ですから、私の世代にも責任があります。先の問いに私が正直に答えるなら「私は嫌だった、原発に賛成したことは一度もなかった、でもどうすればいいかわからなかった」なのです。80年代に六ヶ所村に再処理施設が作られるというドキュメンタリー映画のビラを手にしましたが、その映画は見たか見なかったかさえ思い出せません。チェルノブイリの事故では広瀬隆の「危険な話」を読んで震え上がりましたが。そして忙しく働いているうちにいつのまにか何十個も出来ていて、ここ数年は東電のテレビコマーシャルを苦々しく見ていただけです。

けっきょく人間は懲りないものってことですか? でももう今度限りにしましょうよ。ほんとに。

原発がこういうことになってしまったのは、ひとえに「お金になる」からです。作るにも壊すにも巨額のお金が必要ですが、確実に儲かる仕組みができています。反対する人は丸腰で「ひとたび事故が起こったら取り返しがつかない」と反対し、別の立場からは「敵対国から原発にミサイルを撃ちこまれたらおしまいだ」と反対してきました。しかし政府の「絶対安全です」という議論にならない主張で維持されました。一般の人々も、ついこないだまで「原発に反対する人はテレビも冷蔵庫も使うな」という極論をよく口にしたのですよ。(私はテレビも冷蔵庫も洗濯機もエアコンもない10アンペアの生活で何の不自由もありませんでしたが。)そういう中で、世界の最先端を行っていた日本の太陽光発電の技術は、原子力発電から利益を得る人達の反対にあって政府からの援助が止められるなり、数年で他国に水をあけられてしまいました。

今では多くの人が後悔しています。それは大きな力となって良い方へ向かうでしょうか?

だからといって反原発デモに行けばいいとか節電すればいいのでもない気がします。そういうのは共同募金にチャリンと入れて終わりにするような一過性のものに見えます。しないよりはいいのかもしれませんが、どうなんでしょう? はるかに大事なのは今後の人生に向けての、いわゆる「ライフスタイル」全般の軌道修正だと思います。私は30年前40年前みたいな暮らしなので今の人達の暮らし方をよく知らなくて、どう修正するべきかをお示しできませんが。ただ、便利な暮らしもほどほどに、と言いたいと思います。

そして同時に、事は「戦争」とか「原発」とか単発の問題ではないのですよね。強欲な人達が群がるような巨額のお金の動くことにはろくなものがないようです。それは全部同じような経過と結果を招き、犠牲を払うのは常に一般の人々です。まるで一つの法則です。その意味では、手を替え品を替え今は何が進行しているのか、これから何が起こるのか、それも知らなきゃいけません。私達一人一人が無頓着にならず、ちゃんと目を向けて、正しい選択をしなきゃいけないのです、そうしないとまた次の世代に「どうして止めなかったのか」と問われる悔いを残すことになります。

かつての「戦争」こんにちの「原発」と同じ末路を暗示するものは現在も進行しているはずです。政府というものは政権が変わっても国民の本質的な自由を奪う法律が好きらしく油断なりませんが、今大きなお金が動いていることといえば、まず「地球温暖化防止」「CO2/二酸化炭素削減」の問題でしょう。TPPはいわば戦争なき敗戦です。そういう所では常に「原発は絶対安全です」という以上の大きな嘘がまかりとおります。信じられないような嘘は誰も疑わないからです。

でもいつの時代にも賢者は必ずいて、我が身も顧みず警鐘を鳴らしてくれるのです。だから私達凡人は、せめてそれを聞きつける耳を持ち、その人を守り、自分達を守らなければいけません。「戦争」や「原発」を繰り返さないためには、早く気づいて数で勝負することで私達自身を守る以外にないのです。ほんとなんですよ、もう。

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