お買物のはなし・新旧おりまぜスローにやります

2012年4月3日

パキスタンの手織りのラグ


27日の火曜日のこと、阿ヶ谷の用事の帰りにパールセンター街でインテリア・ショップの店じまいセールを見つけました。人で賑わっているから何かと思ったのです。そこで玄関マットにちょうど良いベルギー製の小さいラグが、3万1500円のところ7800円、さらに2割引で5500円ほどで買いました。物が良くて、これまで買ったことがない青っぽい地味な柄が面白かったからです。

それはそれで満足したのですが、家に帰ってから「店じまいというからには今月限りではないのか」と気がついて、それからどうにも気になって、3月31日にふたたびお店に行きました。果たしてその日が最終日でした。お店の片方の壁には丸めたじゅうたんがずらっと並んでおり、奥にいくほど高価な品物です。数十万円もするものが半額近くになっていたり、さらに値引きの札がついていたり、単純にこういうときが買いどきなのだろうと思いました。

細長いお店の奥には大きな台があって、丸めて立ててある絨毯を広げて見せてもらう場所です。既にたくさん積み重なっており、そこに私の憧れの中近東のラグがチラと見えましたから、上からめくって順番に見せてもらうことにしました。よく見ると中近東ではなくパキスタン製で、模様もいわゆる中近東の伝統的な模様とは少し違うのですが、色鮮やかな物からベージュ系の落ち着いたものまで10枚くらいあり、どれも素敵でした。私は「ここで買わないともう買えないぞ」という気持ちになってきて、本気で少しずつしぼっていき、最後の二枚まで来ました。

どちらも三畳敷きより少し小さい240x170センチくらいで同じような雰囲気のラグでしたが、一つは模様が小さくて、いかにも私が好みそうな感じです。もう一つは大柄ですが、色がなんとも繊細で美しいのです。赤は少し褪めたような茶色っぽい赤で、クリーム色や淡いピンクなど、やわらかい色も魅力的でした。それに比べると模様の小さいほうは色づかいが強く感じましたから、やはりここは色をとって、大きな模様のラグに決めました。私はふだんものを買うときに安い物でもすごく迷って時間がかかるのですが、ここでは1時間くらいの「即決」です。すごい!

この種の敷物に特別なお手入れはいらないようで、ふつうに掃除機をかける他には、ときどき干すとよいそうです。全体を洗う必要があれば白洋舎に頼めば大丈夫でしょう。(私はYouTubeでペルシャじゅうたんの現地のクリーニングの様子を見た、長靴でドカドカ乗ってバケツで洗剤をドバっとをかけてモップでゴシゴシこするのだと話すと、お店の人はびっくりしていました。)外国と違って私達は土足で乗りませんから、汚れ方も穏やでしょうからね。

意外に薄くて、折り畳むと大きな袋に収まりました。持てない重さじゃありませんから持って帰ることにしました。使う部屋はきまっていますが、家具など動かして少し模様替えしてから敷きたいと思い、帰宅するととりあえず袋から出して丸めておくことにしました。それで広げたわけですが......家ではお店で見たよりずっと大きくて迫力があります。ウール100%の手織りで、目がつんでいて、つやつやしています。見る方向で色の深みが変わるのも魅力です。何だかわからない模様が楽しいし、とにかく色がとーってもきれいで、こちらにしてよかったと思いました。裏側さえ美しいキリムのようです。こんなにきれいな物が自分の家にあることが本当に嬉しくなり、「とうとうラグを買ったぞ!」と少し浮かれてしまいましたよ。(写真は今日日が当たっているときに撮ったため、実際より派手です。)

私なんぞがこんなお買物をしていいのかしらと思います。でも長年の憧れですからいいんですよ、たぶん。それにこういう大きなお買物をすると他の小さいものが欲しくなくなります。(我慢できるというほうが正しいかもしれませんが。)私も人生の折り返し点を過ぎてだいぶ経ちます。そろそろ「いつかは欲しかったもの」を手に入れる時期じゃないかと思います。ね? なーんて、家族にはまだ内緒なんですけどっほっほ。

(でも、こんなにいい品物や高級品を扱う専門店が阿佐ヶ谷では駅前商店街にあるんですから素晴らしいことなのに、閉店してしまうんですね。とても残念です。)

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