お買物のはなし・新旧おりまぜスローにやります

2008年1月31日

《PRETTY KNITS》


PRETTY KNITS -- 30 designs from loop in London

「loop」とはロンドンにある毛糸屋さん(手芸屋さん)で、お店には出入りのニット・デザイナーが作った作品を展示してあり、お客さんからよく作り方をきかれるが、いつも教えられずに来た、というわけで今度本にまとめました、という経緯だそうです。

数名のデザイナーの作品が載っていますが、ローワン(Rowan/イギリスの高級毛糸メーカー)のデザイナーだったルイザ・ハーディング(Louisa Harding)やデビー・ブリス(Debbie Bliss)がいくつも提供しおり、格を上げています。

とてもきれいな本です。これ見よがしな物が何もないのに、さりげなく luxuary です。何よりフェミニンというべきか。従って、落ち着いてよく見ると、私が作るべき物は何もない‥‥‥‥かもしれません。もし作ったとしても、私なぞの生活の中ではすぐに汚れてボロになってしまいそうです。従って、これは見て楽しむ本とわりきります。そういうきれいな写真を見ながら自分のイマジネーションをふくらませようと思います。

2008年1月30日

《Traditional Fair Isle Knitting》


TRADITIONAL FAIR ISLE KNITTING
Sheila McGregor/1981/ペーパーバック

これは昔から出ている本です。私も十年くらいずっと欲しかった本です。でもいつも欲しい本が多くて、予算の都合上注文の数を減らさなきゃいけない段階で落選したのです。(いつでも買えると思う本はどうしてもそうなりがちです。)でもとうとう買いました。

amazonにある購入者の評価を見ると「殆どのページが白黒でがっかりした」と酷評するものがありましたが、目的によってはそうかもしれません。しかしある程度フェアアイルの作品を見てきて、自分のデザインで作ってみたいと思う人には素晴らしい資料です! 「殆どのページが白黒」なのも、実は本文130ページのうち63ページがパターン集!!!ということなのです。パターンの紹介は本文中にもあります。たしかに写真もが多いのですが、フェアアイルの場合は色を想像するのも楽しみなものです。

第一章が「背景と起源」、第二章が「デザイン、テクニック、色彩」、第三章が「パターン集」という構成です。普通のスタイルブックと違い、セーターの編み方は伝統的で典型的で基本的なサンプルを紹介しています。(「解説書」であって「デザイン集」ではないのです。)その代わり、シェットランドの毛糸を使ったセーターの洗濯の仕方や干し方まで、丁寧に書いてあります。この本を見ていきなりセーターを編むのは無理でも(編むにはスタイルブックを見ることにして)、フェアアイルを好きになって知りたくなった人には最高の本の一つに違いありません。



《Jackets》


JACKETS -- for work and play
the Best of Knitter's/2006/ペーパーバック

Knitter's Magazine という編物雑誌の別冊とオモワレ。全体に日本の奥様向け編物デザインにも共通するコンサバ&スタンダードな作品集で、いわゆるジャケットとカーディガン以外にタンクトップやボレロもあります。ちょっと野暮ったいのもありますが、色でも形でも誰もが普通に着こなせる作品ばかりです。ほとんどが模様編みで、また細部がきれいで、参考になるところ多々。(模様編みでの袖ぐりや袖山のカーブ、前立てのデザイン、襟の形などなど。)中にはいったん編んだジャケットをフェルト化させて刺繍を施したものがあり、そこではフェルト化のテクニックも解説しています。(これ、ちょっと興味があります。)

昔のLPレコードに近いくらいの大判です。紙面のデザインがとても良くて、材料、道具、ゲージ、難易度などが見やすくまとまっています。本文の随所に「How to」として必要なテクニックを図で説明していますし、巻末にまとめてある編み方の説明もとても親切でわかりやすく、ただのスタイルブックとはいえない、ちょっと知恵袋のような本に思えてきました。

《Rudgyard Story》


RUDGYARD STORY --Hand Knitting Collection
Jo Sharp/1998/ペーパーバック

Jo Sharp は自身の名前のブランドで毛糸を販売しているような、いわゆるデザイナーです。この人は色使いが上品で、細い糸で丹念に編んだ作品が多く、さりげない模様編みも洗練されています。高級感がある、ってことです。デザイン集は1冊持っていますが、この本も1998年発行で、廃刊になる前に入手しておきたいと思いました。

女物、男物、子供物、また帽子屋やリュックも載っていて、見応えがあります。モデル達に清潔感があり、静かな雰囲気であることも好きです。そしてなにより、思いがけない収穫は、本格的なフェアアイルがいくつも載っていたこと。素晴らしい色使いは見ているだけで満足してしまいそうです。

《Greetings From Knit Cafe》


GREETINS FROM KNIT CAFE
Suzan Mischer/2006/ハードカバー

(新刊と思ったら2006年刊でした。)この表紙を見ただけで、そうとうオシャレな本だとわかります。とにかく写真がきれい。作品のデザインはきわめてシンプルでありながら、お洒落心のある美人が着るほど冴える、という感じです。「ライフスタイル系」とでもいいましょうか。

しかしですね、書名は「ニット・カフェからこんにちわ」てなものですが、著者のスーザン女史がすごすぎます。1990年代までCBSでドキュメンタリーと特番の責任者(vice president)としてグラミー賞も取ったトニー賞も取った。子育てのために退職して、ロサンジェルスに住み、2002年に「ニット・カフェ」を開店。これ、ほんとにカフェなんです。

「私がニット・カフェを始めたとき、自分のための場所を作ろうとしました。自分の好きなことができる場所ーー音楽を聞き、お茶を飲み、素晴らしい糸を編んで、そしていろんな人に出会う! お店はすぐにご近所中の人達が集う「家」になりました」と書いています。

えーっ、えーっ、そんな人生って、ずるすぎるうううっ!!!と思います。でも身の上が違いすぎて嫉妬もわきません。7歳でおばあちゃんから編物を教わったそうです。(私は幼稚園のときだったぞ、と一応張り合ってみる‥‥‥‥)

収録されているのは彼女と仲間達が作ったもの。セーター、マフラー、ドレス、クッション、小物類、はたまた馬の毛布‥‥‥‥ お店には大きな棚に毛糸がいっぱい並んでいて、お馴染みさん達がお喋りしながら編物しているスナップショット。自分の好きな音楽のベストテンが書いてあったり、お友達の詩があったり、カフェのお菓子のレシピがあったり、グループセラピーの話やら近所のパン屋さんや宝石屋さんの紹介やら‥‥‥‥。幸せがいっぱいのライフスタイル。うーん、余生の何処かでこんなふうに生きたい。



《Never Too Old To Knit》


NEVER TOO OLD TO KNIT --Beautiful Basics for Baby Boomers
Karin Strom (編集)/2006/ハードカバー&スパイラル

新刊です。なんともこざっぱりした表紙の写真に惹かれました。「編物するのに年をとり過ぎてるということはない」という書名ですが、amazonの購入者の批評では、「この本の名前は never too old to start to knit(編物を始めるのに年をとり過ぎてることはない)とするべきだ」と言って〈ガッカリ星〉を付けた人がいましたが、本の内容はその通りでした。「baby boomer」は日本でいう「団塊の世代」です。60歳前後で初めて手編みを始める人、何十年ぶりに始める人、また男の人にもいい本です。

というのは、目下アメリカでは一種の「ライフスタイルとしての編物」が流行っているようなのです。いちいち読んだわけではありませんが、印象として、私が過去十年あまり編物に没頭しながら思ったことに共通するものを誰もが感じているようです。異なる点は、彼らは編物を通じた「コミュニティ」を挙げることでしょうか。私が知ったのは数年前にNHKのテレビでニューヨークの「ニット・カフェ」を紹介する番組でしたが、彼らにとって編物とは友人やご近所や、新たに出会う人達と一緒に編むもので、その交流がいいのだという考えがあるようです。羨ましいことです。

というわけでこれも「Greetings from Knit Cafe」に低通する傾向の本といえそうで、冒頭で「今編物を始めるべき10の理由」をかかげて編物の良さをひとしきり語っています。それから編物の基礎に入ります。その書き方は出版の趣旨に沿っていますーー文字が大きい、写真が大きい。また本の綴じがスパイラルですから広げやすく、本と首っぴきで編むときには便利です。60歳の初心者への配慮がとてもユニークです。


というわけで珍しく年配の初心者向けの本で、スタイルブックというよりは基礎を教える本でした。基礎は判っているつもりの私には物足りない内容ではあります。しかし私にとって編物の本は第一に見て楽しければいいので文句はありません。

というわけで、スタイルブックの部はページ数にして全体の半分未満です。マフラー、帽子、セーター、タンクトップ、ベビーシューズ等々、どれもほんとにシンプルです。超極太糸のセーターは形がよく、セールで素敵な糸を見つけたときには試してみたいと思いますし、老紳士のセーターも魅力的であり、夫がいなくても編んでみたくなりました。でも収録作品の数はもっと沢山あっていいと思います。

とはいえこの本を注文した表紙以外の理由は別のサイトで紹介されていたガーター編みでショールカラーのジャケットでありました。ちょうど太い糸でショールカラーのリーファー(軽いコート)を編む予定があり、このジャケットを見て、ぜひ参考にしたいと思ったのです。

2008年1月29日

本が届きました


アメリカのamazonから航空小包が届きました。1月4日の注文時の見通しでは「2月14日〜3月7日にお届け」とありましたから、あれあれ春になっちゃうよと思いました。今回はニットの帽子の本を多く注文しましたから、寒いうちでないとアレですよ。しかし1月23日に「発送済み」のメールが入り、1週間足らずで今日届いたのですから、嬉しいことです。

(こんどの買いだめでは日本のamazonに注文したものがあと3冊残っていますが、これも2月初めには届くのじゃないかと思います。3冊ともフェルト関係です。1月4日時点ではフェルト作りをやってみたかったのでしょう。でも編物の本がこれくらい手元に積み上がると、だんだんどうでもよくなってきました。)

そういうわけで、届いた12冊を順番に並べていきます。

2008年1月26日

《Needlework Masterpieces from Winterthur》


NEEDLEWORK MASTERPIECES FROM WINTERTHUR
Hollis Greer Minor/ハードカバー/古本

「ニードルワーク」と銘打っていますが、主にニードルポイントの本です。Winterthurとはデラウエア州にあるデュポンの元邸宅を庭園ごと美術館のような形で開放した施設です。(知る人ぞ知るペンシルバニアのLongwood Gardenと同じだと思います。)バブル期から90年代の前半くらいにかけて海外通販を買いまくっていた頃、頼んでいない所からも沢山カタログが送られてきました。その中にWinterthurがありました。美術館の土産物(ミュージアム・グッズ)のような雑貨が満載の魅力的なカタログでしたが、バラをはじめ庭園で育てた花の苗も販売していたところが特徴でした。素敵なものがたくさんあって、迷ったあげくに何も買わずじまいでしたが、そういうわけでWinterthurの名前を知りました。

ですから以前ニードルポイントの本を買い集めていたときにこの本を見つけて、以来ずっと気になっていました。先月検索してみるとamazon Marketplaceでなんとなんと US$2.58 !! 今度こそ買うことにしました。これほど安いのにはわけがあり、図書館の払い下げです。昔懐かしい貸し出し券のポケットがついていました。とはいえ本はビニールのカバーがかかっており、きわめてきれいです。お買い得でした。

作品はWinterthur所蔵のお宝キルトやお宝タペスリー等をモチーフに制作したクッションカバー、テーブルランナー、バッグ、等々です。ニードルポイントのクッションカバーなど、こってり濃厚にゴージャスです。しかしボタニカル・アートをモチーフにした果物のニードルポイントは今一つ、二つ、三つ‥‥‥‥

ティシューの箱に被せるには取り出し口がないぞ‥‥‥‥って、これは「brick cover」だそうです。レンガに被せるのですね。ドアストッパーやブックエンドなどに使いましょう、とのことです。それってちょっと素敵。

2008年1月18日

《Knits for Children & Their Teddies》


KNITS FOR CHILDREN & THEIR TEDDIES
Fiona McTague/ペーパーバック/古本

2003年刊。とってもカワイイ、くまちゃんとお揃いのお子様セーター集です。セーター以外の帽子、マフラー、バッグ、毛布、クリスマスの靴下、編みぐるみもあります。カワイイものばかり。お子様0歳〜9歳の5サイズ+くまちゃん大中小の3サイズに対応、という具合にまったく同じデザインのセーターも多く、見てるだけでも楽しくなります。くまちゃんの採寸の仕方も載っています。これで US$2.64 !!

フェアアイル、ガンジー、アランなど伝統的なもの、ストライプやリブ編みのカジュアルなもの、いずれも手を抜かないデザインなんですね。よく見ると色も素材もデザインも敢えて子供っぽくないのに、子供らしいし可愛いし、かえって子供の可愛らしさが引き立つようです。不思議といえば不思議です。子供服って何なんでしょうね。

最後のページに載っていたくまちゃん。脱衣したら、どこか恥じらいのポーズ。たまらん!

2008年1月11日

キラキラ時計


近所の雑貨屋さんに羊のトートを買いに行った帰り、これをみつけてしまいました。オモチャチックなキラキラは沢山ありますが、これはいい姿をしていると思ったのです。かえって何の服装にも合いそうです。文字盤は小さくて13ミリ×12ミリ。小さいところがいいな、と。1分2分を急ぐ暮らしでもないし。ここ十年に買った腕時計は確か3つで、単純な形で大きく見やすいものばかり。値段は1000円か2000円。性能にまったく問題ありません。でもこの手の時計は、(お風呂以外、寝ている間もつけたままのせいか)塗装が1、2年で剥げてくるものがあり、そこが困ります。風防が外れたのもありましたっけ。これは3800円もしたから外出時だけにします。

2008年1月2日

メイシーのバケツ

用事で大泉学園へ行きました。帰りに駅ビルの商店街を歩いていると、いいものがありました。NHKの幼児番組でおなじみの Masie(メイシーちゃん)のお菓子のバケツ。色がきれいで、ちゃんと蓋と持ち手が付いていて、これが山と積んであったら欲しくなりますよ。

直径約18センチ、高さ26センチ、蓋付き。こんな缶に編み棒をしまえたらいいのに、蓋付きで使うには長さが足りませんでした。さて何に使おうかな。

中には可愛い袋に入った《メイシーちゃんのおきにいり》という名前の「ふわふわソフトせんべい」「きらきら星のおせんべい」「ABCのビスケット」「黒糖のウエハース」「かぼちゃのスティックボーロ」(大きい袋順)が入っていました。かわいいシール4枚のおまけ付き。(まだ食べてないので味はわかりません。)



(追記: お菓子は全然おいしくありませんでした。味がないんです。子供用だからでしょうか。うまい棒はおいしいのに。)

2008年1月1日

《Toilet Roll Covers》

TOILET ROLL COVERS
Pat Ashforth & Steve Plummer/2007/ペーパーバック

お元日にamazonの小包が届くとは思いませんでしたよ。日本のamazonに注文した分で、今回届いたのは2冊、一つはこれ。期待どおり、なんともおとなしいけれど、カワイイ本でした。

もう十年近く前になるでしょうか、編物を求めて貪るごとくアメリカやイギリスをネットサーフィンしていると「toilet roll cover」なるものに遭遇しました。文字通りトイペーのカバーです。トイレ(バスルーム)に置いた予備のトイペーに奥ゆかしく被せるわけです。私が見たのはそのコンテストの入賞作品を展示したサイトで、そのデザインの多様性たりや、想像を絶する豊穣の世界でした。それは手編みの一つのジャンルだったのです。その後また見たいと思いながら二度と辿り着くこと叶わず、口惜しい思いを残しました。

先月amazonでこの本をみつけたとき、少しおとなしい表紙だけれど面白そうだと予感しましたよ。果たして、一人の人でもこれだけの種類を作ってしまう創造性に脱帽します。30種類載っています。一貫して人の気配のない写真で、そこに物淋しさというか奇妙な雰囲気が漂い、それがこの本の印象を地味なものにしているかもしれません。しかしよく見ればどれもいい味があり、一つずつの作品をあっちからこっちから何枚も写真を撮っているところなど、作品への愛情が感じられます。この羊なんて、いい顔してるじゃありませんか。他にもシロクマさん、太鼓、お金ジャラジャラ‥‥‥‥なんでもカバーになってしまうのです。

風水ではトイレにトイペーをむき出しで置いてはいけないと言ってましたっけ。戸棚に入れろと。しかし目につく所に置き、こんなカバーをかぶせるのは悪くないんじゃないかと。

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