暑苦しい男のポップス
とっても嫌だなあと思う歌手でも、ちょっと気になる歌があったときには、そのあたりは正直になろうと思います。ちょうどモーツァルトでも「voi che sapete che cosa e amor....♪」とか口ずさむし、阿久悠でも八代亜紀の「舟歌」はいいなあとか。
トム・ジョーンズなんて暑苦しくて大嫌い。この姿ですよ。私がポップスに目覚めた1960年代後半はヒッピー/ロック/ラブ&ピースですからね、こんなのは存在そのものが反動ですよ。その頃の大ヒットは「Love Me Tonight」で、思いっきり暑苦しいのですが、「ステージで汗を拭ったタオルを投げれば客席の奥様お嬢様が奪い合う」というタイプの大歌手でした。ああ嫌だ、暑苦しい。
でもずっと後、大人になってから、あるときふと耳にした「Promise Her Anything」をイイナと思いました。というわけで、2年前からITMS (iTunesの音楽ダウンロード)を使うようなり、ときどき懐メロを買いあさるようになり、この曲も長くショッピングカートに入っていました。そしてこのたびついに買いました。
やっぱりいい曲でした。バカラックの曲だったのですね。いいわけです。この曲の歌いっぷりも好きです。歌詞はネット上の歌詞サイトで入手しました。わりといい歌詞です。「彼女はきみが手に入れられない物なんか本当は望んでいないんだから、ダイヤモンドでもルビーでも、冬を春に変えてと言っても、何でも約束してやりなよ。でもけっして彼女を手放してはいけないよ」という感じです。友達に説教する歌なんて、近頃とんと聞かないような。ポップスの黄金時代を彷彿とさせるのでした。
あらためて曲のリストを見ると、この「Promise Her Anything」をはじめ「何かいいことないか、子猫チャン/What's New Pussy Cat」(邦題は「何かいいことないか、子猫チャン」)、「It's Unusual」など、バート・バカラックの曲は今でもやっぱり素敵です。
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