9月のロン・ポール
「デイリー・ショウ」のジョン・スチュワートによれば、アメリカの9月7日夜におこなわれた共和党大統領候補のディベートでは、初参加のペリーと元々支持の高かったロムニーがメディアの話題をさらったようです。というより、ロン・ポールの名前を口にしたくないメディアにとってペリーの登場はちょうどよかった感じです。最初からそういう段取りだったのかもしれません。ディベートの録画を見ましたが、ロムニーが話している間に音声が中断したり、他の人が話している間につまんなそうな疲れた表情(に見える)ロン・ポールを写したり、ちょっとナニでした。(ちなみに今回はCNN。)また、RonPaul.com によれば、コマーシャルの間にも議論が続いていたが、とつぜんペリーが攻撃的にポールの腕につかみかかったのでポールのボディガードが出てくるという事件もあったそうです。何を言ったのかわかりませんが、ブログの投稿者は「ある人達はそういうのが好きだが、大統領になろうという人はもっと思慮深くあってほしいと思う」とコメントしています。ほんとですよね。(アメリカの皆さん、ペリーだけは勘弁してください。)
(追記:9月12日)上の件について、Alex Jones の番組で言及がありました。4:43からロン・ポール自身が非公式に((おそらく支持者の集会で)語っているビデオが出てきます。「ペリーが何を言ったんだと皆がきくけれど、そのとおりを言うことはできませんよ」と笑っています。ポールはいつでもジェントルマンですね。
実際の支持は4年前とは比較にならない大きいロン・ポール(のはず)ですが、メディアに名前が出ないと確かに有力候補という印象が薄れます。こわいことです。「経済問題を戦争で解決してはいけない」と明言するのはポール候補一人です。日本にとって最高に重大な問題です。こういうことを日本人は知らなければいけないと思います。4年前は毎日オバマとヒラリーの選挙活動がニュースに流れました。(テレビを見なくなったのでよく知りませんが、多分)今年はサッパリです。
予備選は一ヶ月後だそうです。なんとしてもロン・ポールに勝ち進んでほしいものです。現にアメリカ市民の9割がブッシュに懲りたのに、ここでペリーを選ぶならヴァカとしか言いようがありません。(それでオバマを選んだのですから何をか言わんやですが。)YouTubeのどこかに「ブッシュには懲りたから、もうテキサスの人間には投票しない」というコメントがありましたが、これもヴァカですね。アメリカ市民にもっと賢くなってもらわないと結果として世界中が迷惑する、ということを、どうしたら理解してもらえるのでしょうか。
12日にはフロリダで「ティーバーティー」の公開質問のイベントがあるそうです。(出る予定なのは Perry, Bachmann, Romney, Paul, Gingrich, Cain, Santorum, Huntsman。)この「ティーバーティー」はロン・ポールの「自由へのキャンペーン」という活動の中から生まれたものですが、もはや変な右翼にのっとられた観があり、必ずしもポールの支持者ばかりではなくなってしまったのは残念です。
彼の主張は一貫して「合衆国憲法」にもとづくもので、とても筋が通っています。しかし彼の話を聞かずには理解できません。内容の吟味もせず「Yes, you can!」みたいな「ワン・フレーズ」を連呼して喜んでるような「大衆」には面倒くさいのです。日本でもそうでしたよね。しかしロン・ポールにはそういう「ワン・フレーズ」がありません。じっくりと人の話を聞く習慣があまりない人達......そこまでいわなくても、毎日の仕事でクタクタだったり、深刻な悩みを抱えていたり、べつに問題意識を持っていない一般の「大衆」には、なかなか敷居が高いかもしれないのです。(前の選挙のときから、ロン・ポールの支持者の経口は「高学歴で豊かな浮遊層」といわれていました。)時間をかけてロン・ポールの話に耳を傾ける......その面倒くささが、皮肉にも大多数のアメリカ市民を自分に有害な「わかりやすいもの」に向かわせてしまう理由かもしれません。あとひと月でどれだけのアメリカ人が目を覚まかが問題です。 悲しくも恐ろしく、はた迷惑な話でした、とさ。
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