あやしげな秋のシャツ
高校同期のKちゃんが夫君の赴任にともない北京へ引越すことになりました。帰るのは何年後になるかわからないと言います。それなのに辞令が出てひと月足らずの出発とはずいぶん急な話です。ところが当人はいたってご機嫌。なにしろ前の赴任で中国にはまってしまい、その後北京へは13回も行ったそうで、中国語の勉強も続けてきたのです。彼女にとっては満を持しての移住なのかもしれません。
子供も手が離れ、まだまだ若くて元気なときに、自分の好きな国で暮らせるなんてとても幸運だと思います。まるで夫婦だけで定年を待たずに第二の人生を始めるかのようです。しかも大連と上海には既に何年も単身赴任を続けている同期のIくんとKくんがいて、熱烈歓迎コールの連発ですし、長春には恩師H先生もいます。たとえ1000キロ離れていても同じ国で旧い友達が待っている、というのはいい感じです。
というわけでKちゃんの壮行会が決まったとき、例のアイロンプリントのあやしげな「偽キャラTシャツ」を贈ろう!と思いました。しかし9月も半ばでお店の棚は長袖シャツに入れ替わった後です。一番絵になるのは白の半袖Tシャツなので少し困りました、が、どのみち季節は秋。ということで灰色のモックタートルの長袖シャツにし、それに合うようデザインに手を加えました。背景に色を入れ、落ち葉など舞う風情です。中国語の台詞も中国本土用に簡体字にしました。とどめに私のインチキブランド「KNIT-RIT」のタグを作って付け、試し刷りのプリントを包装紙代わりにくるみ、ギンガムチェックのリボンをかけました。
でも壮行会でKちゃんにはおそるおそる手渡したんです。だって基本的に同期生はみんな大人ですから。でもKちゃんはとても喜んでくれましたし、みんなも面白がってくれました。ああ、なんて嬉しいことでしょう。「偽キャラ」がのたまう中国語の台詞は中国では問題があるかも?‥‥‥‥と危惧する向きもありますが、これから北京は寒くなりますからね、セーターを重ね着しますよね。(9月28日)
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