《Never Too Old To Knit》
NEVER TOO OLD TO KNIT --Beautiful Basics for Baby Boomers
Karin Strom (編集)/2006/ハードカバー&スパイラル
新刊です。なんともこざっぱりした表紙の写真に惹かれました。「編物するのに年をとり過ぎてるということはない」という書名ですが、amazonの購入者の批評では、「この本の名前は never too old to start to knit(編物を始めるのに年をとり過ぎてることはない)とするべきだ」と言って〈ガッカリ星〉を付けた人がいましたが、本の内容はその通りでした。「baby boomer」は日本でいう「団塊の世代」です。60歳前後で初めて手編みを始める人、何十年ぶりに始める人、また男の人にもいい本です。
というのは、目下アメリカでは一種の「ライフスタイルとしての編物」が流行っているようなのです。いちいち読んだわけではありませんが、印象として、私が過去十年あまり編物に没頭しながら思ったことに共通するものを誰もが感じているようです。異なる点は、彼らは編物を通じた「コミュニティ」を挙げることでしょうか。私が知ったのは数年前にNHKのテレビでニューヨークの「ニット・カフェ」を紹介する番組でしたが、彼らにとって編物とは友人やご近所や、新たに出会う人達と一緒に編むもので、その交流がいいのだという考えがあるようです。羨ましいことです。
というわけでこれも「Greetings from Knit Cafe」に低通する傾向の本といえそうで、冒頭で「今編物を始めるべき10の理由」をかかげて編物の良さをひとしきり語っています。それから編物の基礎に入ります。その書き方は出版の趣旨に沿っていますーー文字が大きい、写真が大きい。また本の綴じがスパイラルですから広げやすく、本と首っぴきで編むときには便利です。60歳の初心者への配慮がとてもユニークです。
というわけで珍しく年配の初心者向けの本で、スタイルブックというよりは基礎を教える本でした。基礎は判っているつもりの私には物足りない内容ではあります。しかし私にとって編物の本は第一に見て楽しければいいので文句はありません。
というわけで、スタイルブックの部はページ数にして全体の半分未満です。マフラー、帽子、セーター、タンクトップ、ベビーシューズ等々、どれもほんとにシンプルです。超極太糸のセーターは形がよく、セールで素敵な糸を見つけたときには試してみたいと思いますし、老紳士のセーターも魅力的であり、夫がいなくても編んでみたくなりました。でも収録作品の数はもっと沢山あっていいと思います。
とはいえこの本を注文した表紙以外の理由は別のサイトで紹介されていたガーター編みでショールカラーのジャケットでありました。ちょうど太い糸でショールカラーのリーファー(軽いコート)を編む予定があり、このジャケットを見て、ぜひ参考にしたいと思ったのです。
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