ロン・ポールが妨害されはじめました
今月はネットへ早々にアップされた共和党のディベートなど見た後に、YouTubeでロン・ポールの動画を見ようとしたら、チョロチョロと悪口動画が出ていました。「本当のロン・ポールは違うんだヨ」という類です。見ないので内容は知りませんが、いわゆる「ネガティブ・キャンペーン」の始まりです。
8月11日にはアイオワ州で共和党の大統領選に立候補した人達のディベートがありました。その直後に「ストロー・ポール」という人気投票というのか、限られた人が対象の、誰を支持するかという権威ある投票をやるのですが、第一位はなんと茶会派のミシェル・バックマンでした。ロン・ポールは152票差で二位でした。しかしミシェル・バックマンが一位である理由がわかりません。(茶会派の下院議員で「バラク・オバマは一期限りの大統領でぇ〜す!」と叫ぶのがトレードマークです。)しかしそのミシェル・バックマンは事前に「少なくとも4000票を買っていた」という噂があり......、ストロー・ポールの票じたい218票が行方不明であり......、あからさまな不正も始まっているようです。
ニュース・サイトのRTは「ネットではロン・ポールの勝ち」と報じています。(アイオワで事前に行われた公的なネット投票で、詳細はこちら。)
● Ron Paul wins online Straw Poll 2011年8月13日付
アメリカ国民はこの十年アフガニスタンやイラクの問題にうんざりしており、そのことでロン・ポールへ関心が向かっているようです。戦争はすぐにやめて世界中の基地から軍隊を帰国させるべきだと主張するのは候補者の中でロン・ポール一人だからです。
アメリカでアメリカの戦争、軍産複合体、ウォールストリート、FRBに真正面から異議をとなえるのがどれほど凄まじいことか。要するにアメリカ合衆国においてお金と力で事実上国を牛耳っている人達に向かって「全員退場!」と言っているのですから、国民がその意味を理解し支持するにつれて、(そういう権力の支配下にある)大手メディアも露骨な抵抗を始めたのでしょう。
「デイリーショウ」ではジョン・スチュワートが、大手のニュース番組がロン・ポールを無視するさまを笑いものにしました。何度見ても本当に滑稽で笑っちゃいますが、NHKもまったく同じことをやっています。笑えません......。(2011年8月15日放送。11日のディベート関連で。この番組はロン・ポール自身が演説で触れて支持者に大受けでした。)ほかにも沢山ありますから、YouTubeその他を検索してください。
● The Daily Show: Indecision 2012 - Corn Polled Edition - Ron Paul & the Top Tier
もっともこういうのは今に始まったことではなく、ジョン・スチュワートは2010年2月にフォックス・ニュースのビル・オレイリーの番組に出演したさい、「どうしてフォックス・ニュースはロン・ポールをもう少しまともに扱えないの?」と呟かざるをえませんでした。
● Jon Stewart- "Then why did Fox News not treat Ron Paul better?" 2-4-10
RT(ロシア・テレビ)のこちらの番組では「ロン・ポールを主要メディアから追い出す陰謀説」まで出ています。↓
● Ron Paul Won Straw Poll: Bachmann Bought More Than 6,000 votes! (ロン・ポールの勝ち、バックマンは6000票以上を買っていた!)
(追記:8月27日)昨日か一昨日、「YouTube はロン・ポールの動画の閲覧者数が大きくならないよう細工している」と訴える人をファン・サイトで見ました。前の選挙運動では、それを実際のYouTubeの画面を出して証明する動画がありました。アクセス数は人々の関心や人気の高さを端的に示しますから、YouTubeに限らずいろいろなブログやサイトのランキング、はたまた検索エンジンでもある項目が上位に上がらないよう小細工が行われているという噂は絶えません。私にはわかりませんが、一部は本当かもしれないと思います。
そして本日、アメリカ時間8月21日付の「DailyPaul」(有名なファン・サイト)には、ロン・ポールのフェイスブックからの転載として、こんな記事がありました!
From Ron Paul's Facebook Page:
"The RonPaul2012.com website is under cyber attack. Our team is working to fix this as we speak. So sorry to all who have tried to make donations and could not. We'll have more info ASAP."
"We blocked the attack and are back on track. Since we missed time and donations, we are keeping the Money Bomb going until noon tomorrow. Please spread the word and make this a huge success!"
ロン・ポールの公式サイトがサイバー攻撃にあい、復旧作業の間にネットで寄付ができなかった人に詫びています。その後寄付の締め切り時間を延期するお知らせを流しました。(公式サイトが使えないからフェイスブックで情報を出したわけです。便利といえば便利です。)それにしても「マネー・ボム」の日を狙ってサイバー攻撃をかけるとはひどい話です。しかも今度のはロン・ポールのお誕生日にいくら集めるかという「バースデイ・マネー・ボム」でした。「マネー・ボム/money bomb/お金爆弾」は大統領選の折々にとくに期間と目標額を決めて支持者がお金を寄付するイベントで、ネットの公式サイトに送るのが普通です。(ちなみに寄付できるのはアメリカの有権者だけです。)候補者ごとの達成金額はニュース等で公表されます。お金というわかりやすい形で候補者の人気があらわになりますから、沢山集めた人は人気(支持)を見せつける大きな宣伝効果があるわけで、選挙運動中の大事な見せ場なのです。(4年前には支持率5%で泡沫候補扱いだったロン・ポールが誰よりもたくさん集めて大きな話題になったものでした。)
これから来年10月までどれだけの妨害を受けるのかと思います。
同性婚に反対、人工中絶に反対、銃規制に反対......いろいろなものに反対しています。(Doctor "No" の異名があります。)アメリカ国内の問題は私には事情がわかりませんし、合衆国憲法に基いて考える彼の主張のすべてが理解できるわけでもありません。しかしアメリカ国内のことはまあ、どうでもいいのです。私達日本人が考えるべきは、あくまでもアメリカ大統領が日本と日本人に及ぼす影響です。その意味で私はロン・ポールにとても関心があります。アメリカがまともな国になれば、日本もまともな国になる可能性が生まれるのではないかと。
もちろんアメリカ合衆国憲法がうたう「自由」の実現をめざしてロン・ポールが米国大統領になれば、そして殺されずに着手したなら、一部の人間がやりたい放題を続けてきたアメリカに大変革が起こるでしょうし、それによって日本もこれまでのようにはいきません。第一に「今やっている戦争を終わりにして、世界の警察であることをやめ、米軍は世界中の基地から撤退し、軍隊は自国の国境を守れ」と言うのですから日本から米軍基地がなくなります。日本の安全は日本が守れ、とはっきり言います。そのことは日米安全保障条約なるものの修正にもかかわります。果たして日本はやっていけるのでしょうか? でもそれが国家たるものの本来の姿の基本ではないでしょうか。
そのように安全保障で日本の真の力が試されるとなれば、上や下への大騒ぎでしょう。戦争に負けてから66年、何も考えないできたのですから。それを思うと敗戦までの日本国は立派だったのだなあと思います。
またロン・ポールは現在の経済状況についても先日の債務上限引上げに一貫して反対し、「デフォルトすればいい、でなければもっと悲惨なことになる」と言い続けました。アメリカがデフォルト(債務不履行)に陥れば日本はまた上や下への大騒ぎです。アメリカは来年には餓死者が出るほどの食糧不足とインフレに見舞われるのではないかという噂もありますから、大量の食糧をアメリカに依存している日本はどうなるのか......。私の知識で想像することは限られています。本当は、これまでのアメリカ依存を続けたい多くの日本人はもっともっといろんなことを心配しているのでしょう。
というわけでNHKをはじめ日本のメディアはロン・ポールを完全シカトです。アメリカでは前コネチカット州知事で前回も大統領候補だったミット・ロムニーとロン・ポールが有力で、茶会派でそこそこ美人のバックマンが話題に花を添えるという感じではないでしょうか。しかしNHKが土曜日(20日)にアメリカの大統領選を報じたときには、日本人が大好きなオバマの近況を伝えた後に「共和党の有力候補ロムニーとナントカ(忘れた)に加え、強力な候補者が登場しました、テキサス州知事のリック・ペリー氏です」という流れでした。字幕には「無党派層に支持拡大か」......。一つの州の同じ党から2人の大統領候補者が出ることじたい異例だと思いますが、そんなことには触れません。今頃ノコノコ出て来た「ペリー氏」とは、大統領になることよりもロン・ポールの地元であるテキサス州での票割れを狙っているのじゃないんですかっ??? 「GWブッシュよ、もう一度!」と願う人達も多いんでしょうねっ! 必死なんでしょうねっ!(お金をたくさん貰ったことでしょう。選挙費用も任せなさい、とか?)
フジテレビの「偏向報道」に憤って本社前までデモ行進したという人達は、果たしてこの事実をご存知なんでしょうか??
誰も言いませんし、言ってはいけないことですが、誰でも知っている「ユダヤ陰謀論」から見れば全てはきわめて当然です。でもそれで片付けるのはここでは邪道かもしれません。いろいろ大変です。しかし間違った路線はいつかは本来の軌道に戻さなければいけないわけですし。それに過去400年にわたる西洋の世界支配もようやく終わろうとしているし。
CNNのジャック・カファティーの番組(8月16日放送)の動画です。この人は前の大統領選でもロン・ポールに好意的だったと思います。(公平だっただけかもしれませんが。)今回も「大手メディアがロン・ポールを無視するのは残念。前の大統領選で彼が指摘した事柄が今ではもっと悪くなり、人々は彼に聞く耳を持った。バックマンにチャンスは無い、ロン・ポールが大統領になるべきだ」と話し、「ロン・ポールは共和党候補者で唯一の大人じゃないか?」と視聴者に意見を募ります。ウルフ・ブリッツァーも「ロン・ポールが言い続けてきたことを皆が言うようになった」と言い、「候補者全部の中で唯一の大人だ」「大人というより誠実なのだ」等々、視聴者からの答えも興味深いのでした。
● Is Ron Paul The Only Grown-Up Running For President On The Republican Side?
(余談ですが、この動画の左下の「MOXNEWS.COM」は「Unfair & Biased/不公平で偏見あり」がモットーの投稿者のロゴです。)
ロン・ポールの主張に賛成でも反対でもかまいませんが、いくらメディアが隠してもアメリカ共和党の大統領候補者にこの人がいることを日本人が皆が知っている状態にしなければいけないと思います。
興味のある方はこちらもどうぞ。
● ロン・ポール「他人のカネで生きているアメリカ人に告ぐ」 2011年6月6日付
またこのブログ右側の「内訳」で「ron paul」をクリックして他の記事も見てみてください。
(追記:8月24日)字の間違いとまぎらわしい文章に手を入れました。またデイリーショーの動画を、YouTubeの投稿よりも見やすいコメディセントラルのオリジナルに変えました。
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