リック・ペリーというアメリカ大統領候補
一つの州で、しかも同じ党から二人の大統領候補が出るのは異常だと思われますが、16日頃のテキサスのabcテレビの番組では「(テキサスで)ロン・ポールに投票する人は81%、リック・ペリーに投票する人は19%」という数字を出しました。
ところが何てことでしょう。8月17日〜21日のギャラップの調査では人相の悪いリック・ペリーが一位に躍り出たのでした。ミシェル・バックマンはアイオワでの投票のようにはいかず、10%で4位という本来の位置に戻りましたが、ミット・ロムニーとロン・ポールはペリーの影響をもろに受けてしまいました。こんなに「強い」人だったのですか!?
日本のメディアはロン・ポールを無視しますが、リック・ペリーのことは立候補の噂が出たときから「強力な候補者」として報じてきました。それだけでもじゅうぶん怪しい気がします。私は22日にあれこれ書いた後、リック・ペリーについてちょっと見て回りました。(状況は毎日変化しているのに作業がのろくて申訳ありませんが)今日はそのことを書きます。
(1)リック・ペリーはGWブッシュがテキサス知事だった時代の副知事
Wiki によるとリック・ペリーは現職のテキサス州知事ですが、GW・ブッシュが知事だった時代の1998年に副知事になりました。2000年にブッシュが大統領になって辞任したあと繰り上げで知事になり、その後は選挙に勝ち続けて知事のままです。(州知事就任期間の最長記録だそうです。)ところが元は民主党員で、アル・ゴアが大統領選に出たときのテキサスの応援団長でした。(しかし地球温暖化説には反対。)
一発目がこれです、後は推して知るべし。アメリカ中がブッシュに懲りたのですから、NHKニュースが言うように「無党派層に支持拡大」なんてことは本来ありえないと思います。しかし......。
(2)「アメリカへの警告」
(うわー、なんという顔でしょう! こういう顔は私のブログに載せたくないんですけど......。)
ひどい知事さんのようですね。テキサスでやったことをアメリカでやるぞ、という「警告」です。しかし低賃金や教育費節減や税金の無駄遣いというのは、それを歓迎しそれで得をする人達がいるから困ります。(しかもそういう人達は上手な宣伝で、まさにそれで損をする人達から大量の票を得るものです。)
(3)ビルダーバーグのお墨付き
● Rick Perry: Bilderberg Approved Candidate For President(YouTube)
アレックス・ジョーンズはリック・ペリーの立候補の可能性をすでに映画「Endgame」で予測していたそうです。リック・ペリーは2007年にイスタンブールで開かれたビルダーバーグ会議に参加しており、彼らへの熱心な支持を訴えて会議から大統領候補になる承認を得た、州知事がそのような海外の会議に出席するのは法律違反であるにもかかわらず(Logan Act)、地元の新聞は報じたが主要メディアは無視、等々。(「Endgame」はネットで見れます。というので見ました。このことは最後の最後に少し出ます。日本語字幕版が待たれます。)
ビルダーバーグ(Bilderberg)はお手数ですが各自でお調べください。ネットにゴロゴロあります。ついでにNWO(New World Order/ニュー・ワールド・オーダー)なども調べてもらえるとありがたく思います。ちなみにテキサス人のアレックス・ジョーンズはロン・ポールの支持者であり、リック・ペリーの立候補前からリック・ペリーをガンガン批判しています。
(4)バンク・オブ・アメリカ「あなたのお役に立ちたい。」
ウォールストリートも「待ってました!」の人材なのですね。(C−SPANのカメラに写ってしまったとは。これはペリーが立候補を表明する会見の会場ででしょうか? よくわかりません。)
(5)グレン・ベック「あなたはアメリカにとって問題ですよ。」
(6)リック・ペリー「イスラエルは中東で唯一の民主主義国家ですからね。」
今年6月27日にフォックス・ニュースで放送されたもの。失業率の高さにあえぐ米国において、全米の新たな雇用先のなんと37%(10年間で73万件以上)がテキサスで生み出されたのは事実のようです。政府ができるのは仕事がふえるように税や州法など整えること、環境がいいから皆が住みたがると得意そうですが、「それは他の州から奪っているだけじゃないのか」とグレン・ベックは指摘します。「それがカリフォルニア州やニューヨーク州をいためつける、あなたみたいな男は国をだめにする」と。最後に「親イスラエル」であることを明言させました。
(7)リック・ペリー「経済危機は聖書の原理に戻れという神の思し召し。」
こんなシドロモドロで国家デフォルトに立ち向かえるのですか? 聖書で経済の立て直しですか? 福音派なら喜ぶんでしょうかネ。ブッシュを神と崇めた人達は、行き場をみつけて大喜びでしょうネ。事実、宗教右派は彼の強い支持団体でありました。(彼は親イスラエルですが、ユダヤ人の有力団体は、彼がクリスチャンなので今は支持を決めかねているようです。)
というわけで、ひぇ〜、期待に応えすぎのロクデナシぶり! 何をとっても悪夢ですね。まさにブッシュの再来です。いえ、もっとでしょう。悪い話ばかり探そうとしたつもりじゃないんですが、ひととおり出そろってしまいました。これでは、また電子投票の機械をいじることくらいしそうです。この後ろ盾なら、それ以上の何をしても不思議ではありません。こういう種類の人が出てくるとまともな政策の議論は吹っ飛んでしまいます。ディベートなど形だけになり、嘘嘘嘘で大統領選を突破して(彼らが望むままに)世界中をめちゃくちゃにしそうです。
まじで恐くなりました......。
日本のメディアは「ペリーで決まり!」でしょう。おバカな「オバマ市」が「オバマ氏」を応援するのを大いに盛り上げたように、「ペリー氏はペリー提督のようにTPPで日本を開国してくれるでしょう!」などと言い出すんじゃありませんか? やめてくださいね。
(追記:8月31日)アメリカの選挙グッズにこんなのを発見しました。日本でも有名になってほしいものです。
しかしテキサス人というのは......11期の長きにわたって(訂正、12期でした。)ロン・ポールを連邦議会へ送り出すと同時にブッシュやペリーを知事に選ぶのですね......よくわかりませんね。(そういえば昔、職場の上司にテキサスから来た人がいましたが......当時はこんな話題が出るはずもありませんでした。)
もしこのままリック・ペリーがロン・ポールを潰すなら、民主党のデニス・Kucinich(今だに読めない)にも頑張ってほしいところですが、バラク・オバマ率いる民主党は、7月のディベートを延期したあとは日程の見通しも立っていません。どうしちゃったんでしょう? (共和党はもう3回もやっているのに。)
● Perry vs. Paul: 2 very different Texans want same job
とりあえず二人の大統領候補の違いについて書いたテキサスのニュースサイト。
こんなことばかり書いていますが、私はアメリカ事情にもアメリカの選挙にも詳しくありません。時々刻々の公式情報はこちらへどうぞ。
● 2012 ELECTION CENTRAL 2012年アメリカ大統領選挙の公式サイト?ではないかと思います。ホームページにはニュースが出ています。ディベートのビデオも全て揃っています。以下はこの中のページです。
● 2012 Primary Debate Schedule 共和党、民主党のディベートの予定表。
● Who’s Running in 2012? 候補者の紹介。
(追記:2011年10月18日)リック・ペリー氏が登場したこの時点ではミット・ロムニー氏とトップ争いをする有力候補でしたが、あまりにもわかりやすい(古いタイプの)悪役であったせいか、1ヶ月もすると泡沫候補であったハーマン・ケイン氏がフロリダの模擬選挙で突如1位に躍り出て、にわかに注目が移ったようです。そのときアレックス・ジョーンズの番組では「彼はビジネスマンで、あの土地には沢山の知り合いがいるからだ」と言っていましたが、その後ケイン氏の素性というものを知って危機感をつのらせています。というのも、貧しい家庭に生まれて自分の力でのし上がった「ピザ・チェーンの元社長」という肩書のケイン氏はなんとフェデラル・リザーブの役員をしていた人物で、「NWO(ニュー・ワールド・オーダー)」のインサイダーであったからです。そんな人が何ヶ月も涼しい顔をして候補者に名を連ねていたとは。黒人だから苦労したからと油断してはいけないのですね。先日来のウオール・ストリートの占拠については「仕事がないのは自分のせい」とか「デモに参加する人はヒマだから」といった内容の発言をしたそうです。10月11日の共和党大統領候補のディベートはちょっと変わっていて候補者どうしの質問時間があり、そのとき(フェデラル・リザーブの廃止をうったえる)ロン・ポール氏はケイン氏に質問し、NWO丸出しの答えをひきだしました。
(追記:12月8日)このハーマン・ケイン氏が12月7日に共和党の予備選から降りたそうです。唐突な印象を受けましたが、予備選突破の見込みがないと考えたスポンサーが資金の提供を打ち切ったのかもしれませんね。知りませんけど。(直接には過去のセクハラ事件の数々がまずかったようです。バカですね。)戦線離脱の弁で「ポケモンがナントカ」と語ったために、Alex Jones のショーではアニメと合成の動画でからかわれていました。
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