お買物のはなし・新旧おりまぜスローにやります

2013年5月14日

Etsy について(2013/5月)

(この記事は後ほど「ページ」に転載し、そちらで随時更新する予定です。)

 ←クリックすると Etsy へ飛びます。

「エツィ」とか「イツィ」と読むのだろうと思います。意味は知りません。

Etsyはアメリカのサイトで、誰でも参加して物を売り買いできるマーケットです。アメリカにしかありませんが、アカウントを持てば誰でも(日本人の私も)メンバーとなり売り買いができます。

私は売ったことがありませんが買ったことはあります。流れはどこも同じです。品物を選び(日本で買う場合は事前に日本への発送の可否と送料を売り手に確認する必要のあることが多い)、クリックして購入し、paypal やクレジットカードで支払い、品物が届くの待ち、受け取ったらフィードバックする、ということです。

売り手は私達と同じ個人ばかりです。(お友達どうしのグループもあるかもしれませんが、いわゆる商店や企業ではありません。)注文を受けると売り手本人が荷造りをして発送します。もし品物が届かない、品物が壊れていた等々の問題が起これば、売り手に直接問い合わせたり苦情を訴えることになります。ありがとうを言いたい場合も同じです。事故があれば保険の手続きを頼む場合もあるでしょう。マニュアル化されて卒のない企業のお客様窓口に言うのとは、良くも悪くも勝手が違うということです。そうしたことと後から述べる事情があって、 Etsy への参加はある程度の英語が使えること、若しくは英語を手伝ってくれる人がいつでも身近にいることが条件かもしれません。

◎  Etsy は手作り支援マーケット

Etsy の特徴はまず「手作り支援」です。
値段は売り手が決めます。競りにはかけません。

自分で作った絵やオブジェなどアートな作品、手芸やアクセサリーなどのハンドメイドの作品を売るマーケットです。またそれに付随する手作りのための素材があります。

手作り以外の品物を売ることができますが(実際にはだんだんそちらの割合が増えているのじゃないかと思ったこともありますが)、古い物(ビンテージ物)に限られます。要するに今お店に行って普通に買える品物や大量生産の物......以外の品物、といいうわけです。

eBay で手作りの品物を、オークションではない「Buy It Now」という売り方で値段を決めて売ることもできますが、 Etsy では逆にオークションがありません。また、zazzle のように「売ってお金を稼ごう」という方針でもないため、割引セールや紹介料もありません。分野を限っている分だけ品物が大事にされている気がします。

そのせいかサイトのデザインが洗練されていてオシャレ。ごちゃごちゃした eBay とは比べものになりません。説明の写真も大きくてわかりやすく、品物が見栄えします。

私は自分の欲しいものが古いオモチャや古い食器だったため、アートな作品はたまにしか見ませんでしたが、正直なところ「これが売れるのかなあ」という感じが多かったような...... しかしそうやって出展できる場があるということが肝心なのです!

◎ 海外発送(日本への発送)

eBay で個人と取引をするときと基本的には同じです。

《送料》
ネット・オークションと同じく売り手が梱包と発送をおこないます。なるべく安く送ってくれる人、高くても早くて安全な方法を好む人、臨機応変に対応してくれる人、いろいろです。売り手が海外発送をしない場合もあります。苦い経験して二度と嫌だという人もいます。交渉して送ってもらえることがありますが、海外発送に慣れていない売り手だと梱包が不完全で破損する心配もあり、そこは注意が必要です。そして(人間関係の基本として)あまり強引なお願いはやめたほうがいいと思います。

Etsy では最初から海外宛送料の一覧に日本が載っていることもあります。そうでないときは事前に送料の確認が必要です。品物を買った後で「え、そんなに送料が高いの、それならイラナイ」とは言えないからです。

《支払い》
支払いは米ドルです。クレジットカードよりもPayPalが便利です。(海外の買い手に対しては「PayPalの口座がある人のみ」と制限する売り手は多くいます。)PayPalではその日のレートの円で支払うことも可能です。

《フィードバック》
買った品物が届いたら必ず「フィードバック」を行ないます。品物は説明どおりだったか、品物はちゃんと届いたか、その他。Etsyはコメント欄がeBayよりもずっと大きいので、いい買物をした後では売り手をうんと褒めたらいいと思います。不満があった場合は、その不満が売り手に責任のあることかよく考えて、感情的にならずに書くよう努めましょう。

◎ コミュニケーション

Etsy の特徴としてもう一つあげられるのは、メンバーどうしのコミュニケーションを大事にしていることだと思います。メンバー間のメール欄の文字数がとても大きくて(eBay の文字制限も以前より大きくなりましたが Etsy にはかないません)、やりとりの記録のあるページのデザインも見やすい作りです。ということはつまり、メールを頻繁に書くことが推奨されているということであり、人によって向き不向きがあるかもしれません。

(eBay や amazon や abebooks がフィードバック(評価)を公開するのは、お互いに相手が信用できるか見定めるためです。それとは違う感じでここ数年、一般に「メンバー間のコミュニケーション」が流行の傾向にあると思います。 zazzle なんかモロそうです。フェイスブックやツイターなどが広く浸透した影響でしょうけど、公開が条件で自分自身についてあれこれ書かせたり、フィードバック以外に誰かに何かをひとこと書かせることがやたらに増えたと思います。書かなきゃいけないわけではありませんが、少なくとも何か言われたら返事したほうが印象や評判がいいわけで、すぐ書ける場合もなかなか書きにくい場合もあって、書いて楽しい場合も楽しくない場合もありそうで、こっちゃー英語のネイティブではないんですから面倒といえば面倒です。(それに、とかくそういうのはお互いに愛想のいいことばかりを書きがちで、人気のある人のコメント欄などを見ているとやたらにハイで、疲れるというか......なんだか嘘っぽい気がしてくるんですよね......)その点、相手と直接のやりとりをしなくても購入可能なことが多い eBay のほうがユニークといえるかもしれません。だからかどうか知りませんが、こちらが何か問い合わせてもぶっきらぼうな返事をよこす売り手は eBay に多いような印象があります。勝手な印象だけどサ。)

 Etsy では値段を売り手が決めるため、全体的に高めです。eBay で他に競る相手がいなかった時のような、とびきり安い値段で手に入るということはありません。またオークションではないから他の人が先に買えば終わりです。

 Etsy を知るきっかけは、ネット上でたまたま見かけたマック関連の面白い小物でした。(MacBookのふたにある白いアップルのマークにぴったり合う、昔のアップルの虹のリンゴのシールです。)その購入をきっかけに、 Etsy では古い食器類やドールハウスの家具、ドールハウスに使う小物を作るシリコンの型など、いろいろ買いました。

とくに面白かったのは陶器のコーヒーポット、ミルク入れ、砂糖入れがお揃いのお盆に載ったセットです。古い日本製でとってもカワイイ。アメリカ人の女の子から買いましたが、「どうしてこんな物を持っていたの?」と尋ねたことからメールが始まり、「隣に住んでいる仲良しの日系人のおじいさんから貰った」「おじいさんはカクカクシカジカで手に入れた」と話してくれました。よくお喋りをしに行くのだそうです。この品物は古い食器を扱った本にも載っていて、本当は×××ドル以上の価値があるんですよ、とも。(たしかに彼女の売値は破格だと私も思いました。)そして日本製のセットが日本に戻るのが嬉しいと言ってくれました。何も尋ねなければそれまでですが、そんなのどかなやりとりは Etsy ならではと思います。(届いた品物はもちろん傷一つない、すばらしい状態でした。)

他にも気に入っているのが昔の大きな魔法瓶です。届いてから見るとシアーズ製でした。なんとも派手でレトロなデザイン。中はもちろんガラスです。(普通のエアメイルで無事に届きました。なんという荷造り上手!)落としたら最後なので未だに使っていませんが、ガラスの魔法瓶はステンレス製より冷めにくいといいます。ここにコーヒーを入れて持って行くような素敵なピクニックの機会があればと思います。

実は先ほどの古い日本製のコーヒーセットが届いた直後に311の大地震がありました。その頃までの私はあっちこっちでこの手のお買物ばかりしていましたから、地震のニュースが海外に伝わるなりeBay や Etsy の売り手たちからメールが届きました。みんな心配してくれたんです。ありがたいことです。

地震の後はお買物をする気が失せました。eBay には去年の夏ごろ戻りましたが(再び買いはじめましたが)、 Etsy はまだです。今年になって2回ほど見に行ったぐらいです。というわけで、最新情報でなくてすみません。


今日見に行ってみると「アート」の中に「Art Zine」というジャンルがありました。アートなマガジンすなわち手作りの冊子というような物で、自分でも作れそうなのが面白いと思いました。(80年代にイギリスで流行った「fanzine」を連想しますが、ずっとまともです。)

zazzle は「印刷屋さん」ですから、アートもメディアに関係なくすべてデジタル化して印刷した物を売っています。それにしてもドローイングやペインティングは色づかいもテーマも暗くて陰気なものばかり、そうでなければ精神世界っぽいコンピュータグラフィックス......という感じで、ナンナンダと思います。(アメリカはここまで病んでいるのかと。見たタイミングが悪かったのかもしれませんが。)それに対してEtsy のアートでは油絵ならそのキャンバス、刺繍ならその布というぐあいに一点物を売っているのが大きな違いです。作風はいろいろですが、少なくとも zazzle より明るい雰囲気を感じました。(2013年5月13日)


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