お買物のはなし・新旧おりまぜスローにやります

2007年8月17日

板橋で「ボローニャ国際絵本原画展」


理科系研究者のYさんが絵本の展覧会の招待券を送ってくれました。(春にもいろいろ送ってくれたのです。持つべきものは友ですね、ぬあんちゃって。)それで板橋区立美術館へ行きました。

気になる作品がいくつかありました。備忘をかねて書いておこうと思います。

● ドーテ・カーベク (Dorte Karrebaek)
●「三人組 その2 カルロが大きな犬にくいちぎられた」2006年/デンマーク(5点展示)

「ニューヨーカー」の洒落たカリカチュアみたいな擬人化した動物の絵で、淡い彩色のかわいい感じです。しかし凄いんです。犬みたいな3人組の1匹が「大きな犬」に食べられてしまったのでしょう。どうやって捕まえたかわかりませんが、その「大きな犬」を釣るして、おなかを切って腸を出して仲間を助けているようです。血だらけですよ。「手術」の後はおなかを縫合するのですが‥‥‥‥ どういう物語なのか、出版された本を見てみたいものです。

ホームページを見つけました。これは‥‥‥‥こういう人が子供の本を描くって‥‥‥‥
http://www.dortekarrebaek.dk/books.php

● ディボル・カールパーティ (Tibor Karpati)
●「赤ずきん」2006年/ハンガリー(5点展示)



この展覧会のリーフレットに使われていますから、評判の高い作品なのでしょう。16ビットのコンピュータ・ゲームのような絵が、強烈な印象を与えます。ゲームの画像が大きく進歩して、当初を模したこういう単純な色と形は逆にアートとしての価値が生じるのだと思います。とても新鮮です。

● のだよしこ
●「ちびこぶたちゃん」日本(5点展示)

1980年生まれ!(と驚いてから、あ、27歳なのね、と溜息をつきました)の日本の作家です。ひとめ見てカワイイ!と思います。水彩画で、いずれも真四角の画面を手作りハンコの連続模様で縁取ったのが素敵です。人気のある作家のようで、美術館の入り口の「ゲート」やガラスのドアにも、この絵本からの絵が飾りに使われていました。



他にも「ノンフィクション部門」の入選作で、フランスのイレーヌ・ボナシナ (Irene Bonnacina) の絵がみごとでした。動物の雑種についての絵本で、古来からの様々な動物を黒インクと濃淡で、説明的でありながらコミカルな素晴らしい感じで描いています。なんと達者なペンさばき‥‥‥‥と見とれました。しかし展覧会の図録を見ると、この人の作品は印刷すると少々風合いが損なわれるようです。
(8月16日)

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