お買物のはなし・新旧おりまぜスローにやります

2007年9月15日

婦人雑誌と週刊誌


今週は珍しく雑誌をいくつか買いました。(普段はたま〜に、よほど面白い見出をみつけたときに週刊誌を買うくらいです。)

この秋は50代の女の人向けの雑誌がいくつも創刊されたといいますが、どうせ誌名がアルファベットで大判でカラー写真満載の重たい雑誌で、どうせすぐに休刊するでしょう。そんなの見る気もしませんね。本屋さんに入ってもそういうコーナーは、美女の表紙が並ぶのをを見ただけで「カンベンしてよ」と思います。「家庭画報」だって昔は(40年前は)昔の「暮らしの手帖」と一緒に購読してもいいくらい、本当に趣味の良い雑誌でしたが。

70年代に「クロワッサン」が出た頃は「ニューファミリー」という言葉があって、いわゆる団塊世代が所帯を持って、ジジババ抜きの、伝統や因習にとらわれない、自分らしくてセンスが良くて賢い生活が模索されたんだと思います。質素堅実な親の世代から、日常生活にお金をかける世代への移行というわけで、今に続く「ライフスタイル」の大変革の始まりでした。でも「クロワッサン」も何か自画自賛のような「クロワッサン教」的な変に気取った方向へ流れて行った気がします。同じ路線でもずっと庶民的な「オレンジページ」や「エッセ」などスーパー系の雑誌は、身近な感じで現実的ですが生活臭が強いというか、夢や理想が‥‥‥‥あるんだかないんだか。スーパーで売っている品物だけで生活するなら反動ですよ、ちょっとつらい。

アルファベット名の雑誌の台頭とともに敗北し消えて行った「婦人雑誌」は伝統的な日本の「母」の滅亡の象徴でした。いわゆる四誌よりもインテリ然とした「婦人公論」は生き残ったものの基調を女の情念にシフトしたようで。しかしこんな雑誌をみつけて、おもわず買ってしまいました。


「婦人之友」10月号

通巻1249号! 創刊明治41年、100年以上続く月刊誌! すごい!  
本屋さんの片隅に‥‥‥‥文字通りそんな感じで少部数並んでいました。はじめ「主婦の友」と間違えてしまい、こんな小さな雑誌になっちゃったのか、でも生き残ったか、と思いましたが「婦人之友」でした。手にするのは初めてですが、いわゆる四大婦人誌の一つだったと思います。(「主婦の友」「主婦と生活」「婦人生活」、そして「婦人之友」?)

内容がとてもいいと思いました。アートの紹介に始まり、お料理、お菓子、特集(今回はお弁当)などがカラー、あとは1色か2色刷りで落ち着いた感じです。読み物ページには子供のこと、鬱のこと、携帯電話のこと、結婚のこと、選挙や原発なども少々、また家庭菜園のこと、英語の詩、読者投稿の短歌や俳句等々と充実。なんと編物も二つ載っています。今どき棒針編みのカーディガンを載せているなんて、それだけでこの雑誌のレベルの高さがしのばれるというものです。

これ見よがしな高級ファッションなど関係なし。季節を告げる風景写真は総合雑誌の定番、お料理やお菓子の写真はおいしそうで作ってみたくなりますし、この心地よさは何かというと‥‥‥‥要するに品がいいんです。ずっと続けてほしいと思う雑誌です。でもまた買うかといわれれば‥‥‥‥正直なところ私はあまり文字を読まなくなったので、そのへんがジレンマです。心で応援しています、としかいえませんが。(9月12日)

巻頭グラビアはギャラリーの展覧会の紹介です。(今年1年は青山のジェムアートというギャラリーの企画を紹介するそうです。)鹿児島の知的障害者施設でみんなが作った縫い物(ある種の刺繍?)の展覧会だそうで、写真で見る限りとってもきれいなので、ぜひ見に行きたいと思います。


「週刊文春」9月20日号

「週刊文春」は安倍晋三の記事をめあてに買いましたが、読み終えてペラペラめくると、長期連載の阿川佐和子の対談では相手が岡林信康でした。何たる棚ボタ! 私が岡林信康にまいったのは中学3年のときで、たしか「くそくらえ節」を姉に教わったのではなかったか。お年玉でLPを買い、その後シングルのレコードを少し買い、ライブにも行きました。(当時の前座兼バックバンドは「はっぴいえんど」でした。豪華!)「フォークの神様」にまつり上げられたのは不本意だったでしょうが、「友よ」という歌は(私だって歌いましたが)女子大生のキャンプでも、ベトナム反戦デモでも、はたまた北海道の自衛隊駐屯地でも、みんなが自分のための歌だと思って歌っていたなんて、ちょっと涙が出ちゃう。田舎へ引っ込んだのち復帰して、それからはずっと音楽活動していたのですね。音楽への思い、共感100%です。岡林信康の「演歌」や「エンヤトット」、すっごく聞きたいと思います。かって引退コンサートをやった日比谷の野音で今度ライブがあるそうです。行きたい!!
(というわけで調べると、野音のコンサートは余裕の10月20日。だのに6300円とは‥‥‥‥トホホ‥‥‥‥)


「週刊現代」9月22日号

写真の中の「週刊現代」は1号間違えて買ったものです。その週末土曜日に前倒し発売したのが問題の記事掲載の号で、発売翌日コンビニに行くと影も形もなく、その後本屋さんに行ってもなく、即日完売に近い状態だったんでしょうか。

「物は語る」という連載でハウスカレーを取材したカレーの記事があり、面白いことが載ってました。「カレーのスパイスは漢方薬みたいなもの」というわけで、漢方薬臭い太田胃散(と思われる薬)をカレーに入れると美味しくなるとか。本当ですか?

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