ハーダンガーと「家庭全科」
「ひなぎく」内の古本屋さんで買った本です。
最初に目にとまったのはハーダンガーの本。ホチキス止めのパンフレットのような古いデザイン集で、スエーデンで出版されたものでした。ハーダンガーは荒い平織りの生地の糸を切ったり抜いたりして、そこを糸でかがっていく刺繍です。白地に白い糸で刺すのが基本で、デザインも流行などないに等しく、1色刷の古本でもぜんぜん問題ありませんね。私の姉が好きなので、買ってあげたいと思いました。こういう本は見ているだけで楽しいので、何冊あっても困らないはずですから。(なにしろ300円です。)
その後、ちょっと目立たない棚の中の箱の中に家庭雑誌が何冊かあり、なんと「家庭全科」を2冊見つけました。「家庭全科」は昭和30年代〜40年代の月刊誌で、当時の「家庭画報」と同じ種類の主婦向けグラフ雑誌です。私はハタチ頃に古本屋さんで気に入って買った十数冊を大事に持っている「愛読者」ですから、ダブらない号は即買いです。庶民には手の届かない社長さんの奥さんか銀幕のスターかというような、戦後の富裕層のハイカラなライフスタイルを垣間ることができます。古めかしさ、懐かしさ、カッコよさが入り交じって、昔の憧れに憧れます。また、見ていて楽しいだけでなく、結果的には「戦後」が夢見た「豊かさ」の方向性を示しているようで興味深いのです。(1966年1月号、1966年3月号、各200円)
60年代の「ミセス」が何冊もあり素敵でしたが、どれも1冊1500円以上するので諦めました。(9月24日)
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