「東京『夜』散歩」
東京「夜」散歩——奇所、名所、懐所の「暗闇伝説」
中野純著
講談社/2008年11月/1400円
<腰巻き>闇からの凝視、それは本当の世界と向き合うための数少ない方法の一つだ。本書は未知の東京と出会うためのコンパスである。
近年「散歩」は流行りのようで、テレビはもとより散歩雑誌や散歩本がたくさんあります。しかしこの本は夜中の散歩です。実況みたいにいろんなことが書いてあります。(巻頭にカラー写真数点、本文随所に白黒写真あり。)
アントニオーニの「欲望」を見たときから深夜の公園に興味がありました。とはいえ近所の公園でもなかなか一人で見物に行けません。(一応ぶっそうです。)そうえいば、バブル時代は毎日深夜まで働き、帰りのタクシーの電話がつながるのも一苦労で、せっかちだった私は赤坂から恵比寿までよく歩いて帰りました。1時間くらいでしたから。でも所詮は通勤路。お散歩気分で周囲に興味を持つことはありませんでした。今では最寄駅から家まで、家からコンビニまでの間なら夜中に歩くこともあります。でも本当はこんなにたくさんの夜中があるのですね。誰もが往来しているのに実際には行くことのない場所は不思議な感じです。(1月24日)
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