ピロスマニ、いいよね!
今日の日曜美術館はピロスマニでした。
私がこの画家を知ったのは80年代? 映画「ピロスマニ」が公開されたときです。その頃はよく映画を見ましたが、これは姉から切符をもらって何も知らずに(たしか岩波ホールへ)見に行ったように記憶します。美しい映画でした。その後西武美術館あたりで日の過ぎた大判のカレンダーを買ったのですが…………どこへ行ったやら。ええと、あの部屋の段ボールを積み上げた、あそこのあたりだったような………… (たくさん物を持っていても、正しく飾ったりしまったりする空間と管理の能力がないとこうなってしまいます。)
何か見てみたくなりアマゾンを検索しました。するとあの映画のDVDがありました。しかしマーケットプレース(中古)が1点のみで、値段は4万8000円。ふざけてます。
● Niko Pirosmani ピロスマニについてのサイト。画家について、グルジアについて。なにより絵をたくさんあります。
● Google上のピロスマニの画像 アルファベットで検索するほうがいい絵が出てきました。
● Niko Pirosmannashvili YouTubeでもいろいろ見れます。
話題が動物の絵に移ると思いがけず三沢厚彦が登場しました。(木彫で動物の実物大ばかり作る人です。)他のことをしながらだったので、お話がよく聞こえなかったのが残念です。
私がこうした「素朴派」(と呼ばれるような種類)の絵にひかれるのは「写実性」ゆえだと思います。アカデミックな訓練を受けた人には描き得ない写実性。いわゆる「本物のようだ」「写真のようだ」という写実ではなく、もっと本質的な「存在」を浮き上がらせるような。前はピロスマニの動物には人物ほど関心がありませんでした。ところが番組でキリンの絵を見たとき、鋭い目の輝きに驚きました。キリンの生々しい生命の凝視が迫ってきます。
有名になったときもあり、どこかで言ったそうです。「大きな木の家を建てましょう。そこで皆でお茶を飲み、芸術を語り合いましょう。」でも55歳で没するまで貧しく孤独。でも最期のときは訪ねてきた友達が病院へ連れていったのです。映画のシーンを思い出しました。農家に生まれ生きものの生命に近く育ち、絵具箱一つで生きた画家。古い共同体の社会には、宮台が言うような「包摂性」があるだけでなく、そうした社会しか生みえない「絵」があると思いました。
3月20日に埼玉県立近代美術館で「ピロスマニ」を2回上映の予定。見たいっ! 先着100名?!
● 埼玉県立近代美術館 展覧会案内のページ
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