お買物のはなし・新旧おりまぜスローにやります

2008年5月21日

募金‥‥‥‥善意の花園

5月20日付「ドラえもん募金‥‥‥‥寄付はお買い物?」に追記しました。
とても長くなりましたが、思うところを読んでいただけたら幸いです。

公共募金の「ユニセフ」について…………2つめのブタちゃんの下です。


私はふだん寄付をしませんし、テレビの呼びかけるおバカ騒ぎの募金にも、通勤時の駅でうるさい赤い羽にも関心がなく、長いあいだ注意を払いませんでした。ケチと思われてもけっこうです。(国家的な災害には国家が税金で援助するものと思うからです。これは昔ビックリハウスの高橋章子女史の意見を読んで目からウロコ、禿げしく同意して以来です。もちろん能力のある個人が現場に乗り込んでお手伝いする真のボランディアは素晴らしいと思います。それは単にお金を与える支援ではないからです。私が寄付するとしたら、災害復興であれ文化振興であれ、特定の個人や特定の団体の活動に感銘し活動の継続を望む場合であり、そこに直接届く形で行ないたいと考えます。)

近頃はテレビをつけっぱなしにしている時間が長いせいか、テレビで繰り返しながれる募金の呼びかけがちょっと変だとやっと気づいたしだいです。世の中では既にスマトラの津波災害の頃(2005年)には、電話を使った募金に疑問を持つ人がたくさんいたことを知りました。しかしお金を集める側からは一向に説明も改善もないようで、同じ疑問が今もささやかれているのには、とても奇妙な感じがします。現実には圧倒的多数が無頓着に寄付してくれるから平気なのでしょう。

もちろんピンはねがあろうとなかろうと、集まった寄付金の多くは被災地などに渡るものと思います。しかしお上を信じて天引きされるままに払ってきた税金や年金が、蓋をあけたらとんでもないことになっていたように、善意に訴える寄付金も少しは疑ったほうがいいんじゃないでしょうか。僅かな金額だと思わず、自分が寄付したなら、後で収支の報告を探してみるくらいはしてみましょうよ。どういう団体なのか、その団体がいくら集めて誰に渡したか、多少のピンはね/経費に使われても仕方ないが、それが正直に書いてあるか、それが理解できる範囲か、それくらいは確かめましょうよ。それがお互いの意識を高める第一歩だと思います。

さて、メディアが集めた寄付金は大きくいって日本赤十字か日本ユニセフ協会に渡るようです。日本赤十字社は寄付金で自分の事務所を建てて問題になったことがあります。巨額の寄付金に専用のお財布がなく、全部一緒の「一般会計」に入ってしまうのは、どう考えても致命的。いっぽうの「ユニセフ」は、国連直轄の「ユニセフ東京事務所」(黒柳徹子)と、任意団体の「(財)日本ユニセフ協会」(アグネス・チャン)が、まったく別の組織であることは知っておいたほうがいいと思います。どちらがいいのか知りませんが。(由緒正しいのは前者ですが、トット・チャンが寄付を1円残らず本部に送金しても、国連関係って、まず最初にピカピカ事務所設営とインテリ人件費にメチャお金を使いそうな気がします‥‥‥‥気、ですけど。)

ところで今回の募金で善男善女が不当にも納めた消費税分は、日本国政府が出す支援金に上乗せしてくれるといいんですけどね。


(追記)募金のことがどうも気になり、ネットをあちこち回ってみました。基礎知識として、これだけは貼っておきたいと思いました。(5月22日)

● Wiki/国際連合児童基金 国連の「ユニセフ」について
● Wiki/日本ユニセフ協会 日本の「ユニセフ」について


(5月24日)上記リンクの一部を削除しました。

(追記)5月24日に以下を加えました。/6月2日に文末のリンク先を追加しました。

トットチャンのユニセフとアグネスチャンのユニセフが別のものだとは聞いていましたが、上に書いたことは少し軽率であったと反省しました。なにぶんろくに関心がありませんでしたから、この機会にひとつ調べてみることにしました。

日本ユニセフ協会の評判の悪さには驚きましたが、多くは寄付金の100%が子供達に使われるものと信じていた人達が経費などを差し引くことを知って憤慨したり、寄付の集め方(DMなど)を嫌がっているということのようです。特別な裏情報が流れているとしたら私は知りませんが、日本ユニセフ協会は別にインチキや詐欺の組織ではありませんし、他の国のユニセフと基本的に同じはずです。寄付金でビルを建てるのはどうかと思いますが、言ってしまえば日本赤十字も同じ。「誰でもやっていること」といえるのかもしれませんから。しかしいろいろ紛らわしいのは事実で、日本ユニセフ協会自身にちゃんと説明する気がないんじゃないかという印象は受けました。

はっきりさせるべき第一は、日本ユニセフ協会とは募金が仕事の団体だということです。ニューヨークのユニセフ本部(UNICEF HQ)が世界の子供のために「活動するユニセフ」なら、先進国を中心にいろいろな国にある「国内委員会(Committee)」は「お金集めのユニセフ」というわけです。(ユニセフから支援を受けた国は、あとで国内委員会というものを作ってユニセフ本部のためのお金集めをしなきゃいけないらしいのです。)日本では日本ユニセフ協会が「お金集めのユニセフ」で、民間からせっせと集めます。ほかにユニセフ本部の活動を伝える広報、政策提言も仕事とされています。ただしユニセフ本部もお金を使うだけではなく、各国政府からの莫大なお金集めは本部が行ないます。そこがわかれば、日本ユニセフ協会がサービス業に分類される任意団体であっても「インチキ」ではないと理解できるでしょう。

第二に、「ユニセフ親善大使 UNICEF Goodwill Ambassador」の問題です。これは一つの役職(名誉職)で、ユニセフの活動に広く注目が集まるように、そしてお金が集まるように、各国の国民的有名人に手伝ってもらおうといういうものです。(1)International/国際、(2)Regional/地域、(3)National/国内、と3種類あり、すべてユニセフ本部の公認です。(国ごとにどの大使が何人いるかバラバラです。詳しくはユニセフ本部の〈UNICEF People〉のページで。左側の項目から全ての「大使」の名前がわかります。)

大まかにいって「お金集めのユニセフ」がある国には(1)と(3)、あるいは(3)だけがいます。(1)のInternational はユニセフ本部が任命するもので、日本では黒柳徹子。1984年にアジア初の親善大使に任命されて以来の最古参。他にはデビッド・ベッカム、ジャッキー・チェン、バネッサ・レッドグレーブなど世界の名だたるセレブが International で、いわば花形。ユニセフ本部の広告塔として方針や活動を伝え、政府への働きかけもおこなうといいます。数えると28名(ベルリン・フィルも「1名」で数えます)。英・米には何人もいることから、あくまでユニセフ本部から世界へ向けての国際的な宣伝力が期待されるのでしょう。(3)の National は文字通り各国の「国内委員会」が任命するもので、知名度や才能をいかして広報にお金集めに、その国のユニセフを手伝います。日本では日本ユニセフ協会が選任したタレントのアグネス・チャン(1998年〜)と医師の日野原重明(2007年〜)。

(なお、日本では(1)を「ユニセフ親善大使」(3)を「日本ユニセフ協会大使」と区別していますがあまり知られていず、やっているのがどちらも海外支援のよびかけで紛らわしいのでしょう。ところでイギリスでは International も National も数が多く、(3)の中にはスーパーモデルのクラウディア・シファーがいるわ、サッカー・チームのマンチェスター・ユナイテッドが丸ごとだわ、大使とは別でイギリス独自の High Profile Supporter に歌手のビョークがいるわ、見るからに華やかです。胡散臭い外国人と老人という日本の National のショボさが際立ちます。しかしアグネス・チャンがニセモノ大使だというなら、こうしたイギリスの大使もすべてニセモノといわなければなりません。)

以上が私の理解で、まことに大雑把ながらそれほど間違ってはいないと思うのですが。役割分担もわかってきました。

しかし‥‥‥‥ここで初めてとっても変だということが見えてくるのです。日本にはなぜか国連の支部というものがあって、さらに面倒です。「黒柳徹子は渋谷の国連ビル内に事務所を持ち、国連のユニセフから任命された人だから、彼女だけが本物の大使だ」とか。でもこれは間違いで、みんな本物です。国連ビルにいるのはユニセフから選任された本物の親善大使だからではなく、ユニセフ本部の仕事をしているからのようですよ。(ユニセフ本部の該当ページ)彼女の海外視察を準備するのもここだそうです。しかしいったいいつからこうなったのですか? つまり、彼女の海外視察をテレビで見て「寄付しよう!」と思った一般人は、10円でも100万円でも日本ユニセフ協会にお金を差し出すのが筋です。その点では彼女が個人名義で募金の口座を開いているのは変なのです。(黒柳徹子の「お願いチャンネル」) 彼女がそうしなければならない理由は、ネットの噂にあるように「日本ユニセフ協会が寄付金をピンはねするから」ですか? こんな分裂はよくないし、公に正しく説明されるべきですよ。黒柳徹子を疑う人はまずいないでしょうが、彼女のホームページは何年も捨て置かれたような状態で、説明になっていません。もちろん世界の現場をたくさん見ている彼女は誰よりも寄付を100%使いたいと願うでしょう。でもそれならイギリスで同じことをしないベッカムはただのバカですか? 表に出ないもっと根深いものがあるのじゃありませんか? なぜなら日本ユニセフ協会のピンはねは巨額とはいえ、裏帳簿があれば別ですが、ユニセフ本部の認める範囲内です。本部への送金(拠出金)も報告を見れば2006年の実績で、イギリスが集めたお金の72%、オーストラリアが71%であるのに対し日本は82%ですよ。ベッカムにはありえないことが黒柳徹子には起きた‥‥‥‥のでしょうね。まあ、そのように、ニューヨークの本部や他の国のユニセフのサイトと見比べながら、日本ユニセフ協会のサイトをつぶさに見ているとですね‥‥‥‥第一に視覚的センスがそうとう悪いし、訴えるポイントがずれてますよ、このサイト。単に下手なのか周到な意図なのか‥‥‥‥でも‥‥‥‥普通に考えて‥‥‥‥ぜったい変です。私、何も知りませんよ。公式サイトを見ているだけですよ。はじめは面白おかしいネタになるかと思ったのですが、でもだんだんこわくなってきたので、もうやめます。

ただ、ユニセフ本部のサイトからジャンプした日本ユニセフ協会のサイトが空っぽなのはとてもみっともない、と書いておきます。今はどこも一番に「中国の地震被害に募金を!」と訴えているのに。

● ユニセフ本部のサイト 右側の日の丸でジャンプしてみましょう。

● 日本ユニセフ協会のサイト 噂ではネットで何か話題になるたびにページの削除や更新があるそうですが。
● 日本ユニセフ協会の謎 野良里蔵狸さんのブログ(2005年)。ネット上に数ある日本ユニセフ批判の一つ。100を超えるコメントも興味深く読みました。

(追記:6月2日)
● 2ch ニュース速報+ダイジェスト 2ちゃんのスレ「【ミャンマー】日本ユニセフ協会、サイクロン被災者支援のため緊急募金を開始」のダイジェスト版をみつけたので追加します。2ちゃんが恐い人でも安心して読めますよ。よくある噂とその語り口をまとめて見ることができます。ちゃんとした意見もあります。先月はじめ、中国地震の直前のものです。


このブログ内の「緊急特集/募金」(右側の茶色い欄の〈累積資産・5月〉からもどうぞ)
● どらえもん募金‥‥‥‥寄付はお買い物?(ドラえもん募金について)
● 募金のいろいろ、やがてうんざり(クリック募金について)
● そのた

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