なぜか受け継がれたもの
うちから徒歩5分の所に住んでいる友達のHが前から言ってました。(われらが母校の)◎◎小学校の図書館は一般にも開放されていて、大人の本もあるから利用すれば良いのに、と。それで一度は行ってみましたが、入口がわからなかったのでした。そのHが図書館のお手伝いを始めたとのこと、「何曜日の何時にいるから」というメールをくれました。いくら冷房嫌いの私でも夏の暑さを感じないわけではないので、涼みがてら行ってみました。(今度は中に入れました。)
今どきの小学校なら、恵比寿の加計塚小学校に選挙の投票のたびに行って見てますよ。ところが◎◎小学校では、校舎は何年か前に全部を建替えて、教室の仕切りがないとか、風力発電をするとか、区の「モデル校」と呼ばれるくらいいろいろハイカラだと聞きます。外観からして、私などが校舎として思い描くものとは色も形もまったく異なるのです。中に入ると、果たして廊下が斜めに曲がったり、天井に明かり取りの窓があったり、そもそも白木にニス塗りの木材を多用した明るい造りで驚きました。
図書館も今風のデザインで、明るく広々として快適で、書架、机、椅子など全体が小振りなのが何ともかわいらしいのでした。Hはカウンタの中で貸出しと返却をやっていました。そこで目を惹いたのがこれ。カウンタの上、返却日を知らせる「積み木」です。数字や曜日が書いてあるサイコロ型を並べる万年カレンダーのようなもの。これ一つが年代物なのでした。周囲と全然合わないし、特にすぐれたデザインでもありませんが、ここが学校である事を思い出させるような不思議な存在感です。なんだかありがたい気がします。「私達の頃にもあったかな?」と顔を見合わせましたが答えは出ません。もっとも私達の後の時代の備品でも、これくらいクタビレるのに充分な時間はたちました。
ところで、私は自分の小学校の図書館というのもを思い出せませんでした。私が入学する前年の夏休みに放火があって、校舎は両端を残して焼け落ちました。そのとき図書館も燃えてしまったのでしょう。私が覚えているのは、仮校舎の各教室の前の廊下に図書館用の本棚を一つずつ置いた姿でした。いわば廊下が図書館で、みんな廊下を歩き回って本を探したのです。新校舎が完成したのは3年生のときでした。考えてみればそこに新しい図書館も作ったはずで、Hが覚えているのですからあったはずです。しかし私にはまったく思い出せません。なぜだ?(7月25日)
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