「フロイトと非ヨーロッパ人」
フロイトと非ヨーロッパ人
エドワード・サイード著/長原豊訳
平凡社/2003年10月24日発行/1600円
サイードの著書というよりは、サイードによる表題の講演と、その返答としてジャクリーヌ・ローズなる人物の講演を中心に、訳者のあとがきと解説も含めて小論集のようなもの。「非ヨーロッパ人」というのは私が日頃何かと意識する言葉の一つですが、「オリエンタリズム」の著者であるサイードがどういう意味でこの言葉を使うのか興味を持ちました。さらにフロイトがからむとどういう話になるのかと。今時腰巻きがないんですから読む前に要約できません。インテリ向きの本だったかもしれません。
というわけで、amazonにある商品説明(解説)を先に読みました。精神分析で有名なフロイトはユダヤ人ですが、ユダヤ教の教祖はユダヤ人ではなく、その始まりはエジプトの非ユダヤ的一神教にあったと考えていたそうです。勿論イスラエルはそんなことを受け入れませんでしたが。パレスチナ人のサイードはそのフロイトの考えに影響を受け、そこからユダヤ人のアイデンティティやユダヤ人とパレスチナ人の政治的な相互理解の可能性を考えた、ということのようです。で、「非ヨーロッパ人」がどこに出てくるのかわかりませんが、とりあえず読んでみます。(2月13日)
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